日本経済団体連合会と東京経営者協会は、「2015年1~6月実施分 昇給・ベースアップ実施状況調査」の結果を発表した。調査は2015年5月29日~6月25日にかけて行い、482社から有効回答を得た。
賃金決定にあたって考慮した要素「企業業績」「世間相場」など
賃金決定にあたって主として考慮した要素について尋ねると、「企業業績」(63.8%)、「世間相場(社会、業界、グループ関連企業等)」(47.0%)、「経済・景気の動向」(21.0%)が上位を占めた。2014年は6位だった「人材確保・定着率の向上」(14.9%)が4位に順位を上げている。
219社に対し、月例賃金引上げの実施状況について聞くと、「昇給・ベアともに実施」した企業は、大幅な増加となった2014年からさらに増え、64.8%となった。「昇給実施、ベアなし」(35.2%)とした企業とあわせると、全ての企業務で定期昇給や賃金カーブ維持分の昇給など、月例賃金の引上げを実施したことがわかった。
2015年の月例賃金引上げは額で7,308円、率で2.4%となり、引上げ額は、1998年(7,937円)以来17年ぶりに7,000円を超えた。
昇給とベースアップの区別のある企業を対象に、月例賃金引上げの内訳をみると、総額7,341円のうち、昇給分は6,001円、ベースアップ分は1,340円だった。昇給分は2014年とほぼ同水準となっているが、ベースアップ分は405円増え、総額の2割弱を占めている。
月例賃金の引上げ額の分布状況をみると、上位3位は2014年は5,000~8,000円であるのに対し、2015年は6,000~9,000円で、分布が全体的に上方へシフトしていることがわかった。10,000円以上の分布も13.1%と2014年と比べ3.2%ポイント増加している。