博報堂新しい大人文化研究所はこのほど、"新しい大人世代"とする40~60代の「消費にも大きな影響を与える生活者の意識変化」に関する調査結果を発表した。調査は2015年3月20日~22日、40~60代の男女を対象にインターネットで行われ、2,700サンプルを得た。
女性4人に1人が「生まれ変わったら別の人と」
はじめに、「生まれ変わっても現在の配偶者・パートナーと一緒になりたいですか?」と質問したところ、男性46.8%が「なりたい(そう思う+ややそう思う)」と回答。その一方で、女性は27.9%が「できればなりたくない」と答えており、女性の約4人に1人が「生まれ変わったらできれば別の人と一緒になりたい」と思っていることが明らかとなった。この結果は、2013年同調査結果(「なりたい」男性50.2%、「できればなりたくない」女性27.6%)から目立った変動は見られず、相変わらず多くの夫婦が「すれ違い」の状況にあることがうかがえた。
定年を機に増える「パートナーとの時間」
次に、「配偶者・パートナーとの時間で増えたもの」について尋ねたところ、全体では1位「会話」、2位「食事」、3位「旅行」となった。特に、60代になるとパートナーと過ごす時間が多くなる傾向にあり、やはり定年退職で時間ができたことが大きな理由のよう。
性年齢別で見ると、60代男性は1位「食事(42.1%)」、2位「会話(39.5%)」、3位「旅行(37.3%)」、60代女性は1位「食事(38.7%)」、2位「旅行(35.8%)」、3位「会話(33.2%)」と、いずれも夫の方が高い割合を示したことから、「夫は定年して妻の話を十分に聞いたり、普段の買い物に付き合ったりしていると思っているようですが、妻の方は十分とは思っていないようです」と同社。夫の「片思い」が見てとれる結果となった。
夫婦共通の趣味は「食べ歩き」がトップ
次に、40~60代の「夫婦共通の趣味」について調べた結果、「食べ歩き(20.8%)」「映画館での映画鑑賞(20.1%)」「散歩(17.5%)」がTOP3となった。特に60代では「散歩(男性26.4%、女性26.9%)」と回答した人が男女ともに多く見受けられ、同社は「定年退職して時間ができたため、自宅周辺での『散歩』ができるようになったことが大きな要因」としている。
男性5割が「食事や料理が楽しみ」と回答
最後に、「食事や料理をすることに楽しみを感じていますか?」と尋ねたところ、男性51.3%が「感じる」と回答。もちろん女性の方が63.3%と高くなっているが、その差は10%程度。この結果について、「今の60代団塊世代が30歳前後のときに『男の料理』が初めてブームとなり、その後も『男の料理』ブームが続く中、男性にとって料理が身近なことになっているようです」と同社。さらに、「共通の趣味や、『男の料理』など夫が妻に何かをしてあげることが新しい大人世代の歩み寄りのきっかけになっていきそうです」とコメントしている。