日本経済団体連合会は、「2015年 人事・労務に関するトップ・マネジメント調査」の結果を発表した。調査は2015年7~8月にかけて行い、509社から有効回答を得た。

月例賃金で要求された内容「基本給のベースアップ」が最多

春季労使交渉・協議の実施状況について尋ねたところ、71.2%が「行った」と回答した。

春季労使交渉・協議で、月例賃金について要求された内容について聞くと、最も多かったのは「基本給のベースアップ」(84.1%)で、「定期昇給の実施・賃金体系の維持」(73.8%)が続いた。

春季労使交渉・協議で、月例賃金について要求された内容

その要求に対する回答状況について尋ねると、「定期昇給の実施・賃金体系の維持」は59.7%が「要求通り」と回答したのに対し、「基本給のベースアップ」は59.4%が「要求を下回る」と回答している。

月例賃金の要求に対する回答状況

労働組合などから、基本給のベースアップ要求を受けた企業の回答状況を見ると、66.9%が「要求を下回ると回答した」と答えている。「要求通り」は19.0%に留まった。

労働組合などから、基本給のベースアップ要求を受けた企業の回答状況

ベースアップの具体的な実施状況について尋ねたところ、最も多い回答は「一律定額配分」(40.3%)だった。次いで「若年層へ重点配分」「職務・資格別に配分」(各30.7%)となっている。

前年度と比較した組合員一人あたりの賞与・一時金額の決定状況について聞くと、53.8%が「増額」と答えた。「水準維持」は30.8%、「減額」は15.4%だった。

前年度と比較した組合員一人あたりの賞与・一時金額の決定状況

賃金決定の際に判断基準として重視した要素は、「賞与・一時金」「月例賃金」とも「自社・自グループの業績」が最も多い。昨年よりも重視した要素についても、「自社・自グループの業績」が多く、次いで「従業員のモチベーション向上」が続いた。

そのほか議論した内容について聞くと、「時間外労働の削減・抑制、年次有給休暇の取得促進」が多かった。議論の有無に関わらず実施決定したものも「時間外労働の削減・抑制、年次有給休暇の取得促進」が多く、「女性の活躍促進に向けた取組み」「ワーク・ライフ・バランスに関する施策の導入・拡充」がそれに続いている。