第70回毎日映画コンクールの各賞が決定し、『海街diary』(15年)に出演した綾瀬はるかと長澤まさみがそれぞれ、女優主演賞と女優助演賞を受賞したことが20日、明らかになった。
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映画『海街diary』で共演した綾瀬はるか(左)と長澤まさみ |
毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社が主催する同賞は、1946年から続く映画賞で毎年2月に開催。作品部門、俳優部門、スタッフ部門、映画ファンによる投票で日本映画部門と外国語映画部門の2賞を決定する「ファン賞」(これらの部門もしくは賞は、1月1日から12月31日までに国内で14日間以上、有料で劇場公開された映画が対象)、諮問委員会が映画人の功績をたたえる「特別賞」などで表彰される。
綾瀬と長澤が受賞に至った『海街diary』は、漫画家・吉田秋生氏による同名コミックを原作に、是枝裕和監督がメガホンを取った作品。神奈川・鎌倉の祖母が残した家を舞台に、"異母妹"を加えた4姉妹のリアルな家族の絆を描いた。綾瀬はその4姉妹の長女でしっかり者の香田幸役を、長澤は自由奔放な次女の佳乃役を、それぞれ演じた。
日本映画大賞に選ばれたのは、『ぐるりのこと。』(08年)以来、7年ぶりとなった橋口亮輔監督の長編作『恋人たち』。監督が今撮りたい題材で、新人俳優を起用して自由につくるというオリジナルプロジェクトから生まれたことでも話題を呼んだ。監督賞および男優主演賞を獲得したのは、『野火』で1人6役をこなした塚本晋也。このほか、音楽賞は『母と暮せば』の坂本龍一、特別賞は『羅生門』(50年)などの黒澤明監督作品や『日本沈没』(73年) 、『砂の器』(74年)などの大作を手がけてきた脚本家の橋本忍氏が受賞した。
作品部門
賞名 |
受賞作 |
監督/配給会社 |
日本映画大賞 |
『恋人たち』 |
橋口亮輔監督/松竹ブロードキャスティング アーク・フィルムズ |
日本映画優秀賞 |
『岸辺の旅』 |
黒沢清監督/ショウゲート |
外国映画ベストワン賞 |
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』 |
アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督/20世紀フォックス |
監督賞、脚本賞
賞名 |
受賞者 |
対象作品 |
監督賞 |
塚本晋也 |
『野火』 |
脚本賞 |
原田眞人 |
『駆込み女と駆出し男』 |
俳優部門
賞名 |
受賞者 |
対象作品 |
男優主演賞 |
塚本晋也 |
『野火』 |
女優主演賞 |
綾瀬はるか |
『海街diary』 |
男優助演賞 |
加藤健一 |
『母と暮せば』 |
女優助演賞 |
長澤まさみ |
『海街diary』 |
スポニチグランプリ新人賞 |
野田洋次郎 |
『トイレのピエタ』 |
スポニチグランプリ新人賞 |
藤野涼子 |
『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』 |
田中絹代賞 |
桃井かおり |
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スタッフ部門
賞名 |
受賞者 |
対象作品 |
撮影賞 |
藤澤順一 |
『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』 |
美術賞 |
原田哲男 |
『日本のいちばん長い日』 |
音楽賞 |
坂本龍一 |
『母と暮せば』 |
録音賞 |
小川武 |
『恋人たち』 |
ドキュメンタリー部門
賞名 |
受賞作 |
監督/製作者 |
ドキュメンタリー映画賞 |
『沖縄 うりずんの雨』 |
ジャン・ユンカーマン監督/シグロ |
アニメーション部門
賞名 |
受賞作 |
監督 |
アニメーション映画賞 |
『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』 |
原恵一監督 |
大藤信郎賞 |
『水準原点』 |
折笠良監督 |
TSUTAYA映画ファン賞
賞名 |
受賞作 |
監督/製作者(配給) |
日本映画部門 |
『幕が上がる』 |
本広克行監督/ティ・ジョイ |
外国映画部門 |
『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』 |
クリストファー・マッカリー監督/パラマウント映画 |
特別賞
賞名 |
受賞者 |
特別賞 |
櫛桁一則(「シネマリーン」支配人) |
特別賞 |
橋本忍(脚本家) |