俳優の風間俊介が主演を務める映画『猫なんかよんでもこない。』(1月30日公開)で、2匹の主役猫・チンとクロの撮影秘話と未公開写真が18日、明らかになった。

『猫なんかよんでもこない。』で主役猫を演じたチン役の"のりこ"

風間演じる不器用な男・ミツオとその愛猫・チンとクロの日常が、とぼけたセリフと柔らかなタッチで描かれる本作。実話をもとにした同名漫画の原作はシリーズ累計発行部数30万部を突破するほどの人気を誇り、「上映時間1時間43分、"猫"出ずっぱり!」という世界観を表現する上で、猫の演技力は肝だった。

撮影には「子猫時代」と「大人時代」で2組のチン&クロが出演し、「子猫時代」にはスタッフが飼い始めたばかりの2匹の子猫を起用。撮影直前の頃から飼い主とはしばしば離れ、アニマルトレーナー・佐々木道弘氏(佐々木動物プロダクション)のもと、映画撮影の基本的な訓練を受けて本番に臨んだ。

「大人時代」のチン役にはドラマ『深夜食堂』(TBS系)のほかCMなどでも活躍中の"のりこ"(5歳)、クロ役には「待て」「おいで」の指示にも従う芸達者な"りんご"(推定8歳)を起用。"のりこ"は隙を見つけては人の背中に飛び乗ったり甘えたりする人懐っこさが魅力で、一方の"りんご"は「人間好きの猫嫌い」という性格から、ケンカのシーンも難なくこなした。

本作でメガホンを取ったのは、『グッモーエビアン!』(12年)や『探検隊の栄光』(15年)などで知られる山本透監督。自宅でも猫を飼っている大の猫好きで、大人時代の2匹の撮影について、「しっぽを下げたまま歩いていたら緊張している証拠ですからNG。リラックスしてしっぽが上がるまでテイクを重ねました」とこだわりを明かす。さらには猫と一緒に現場のアパートの一室に泊まり、信頼関係を築いたという。

また、近所を散歩するシーンでは、普段はなかなか外で遊ぶことができないせいか、タレント猫たちが大興奮。スタッフは、撮影現場の周りに包囲網を作るなど脱走に備えてピリピリムードだったが、アニマルトレーナー・佐々木氏の巧みなテクニックや、猫たちと心を通わせた風間の"抱っこ作戦"などが奏功し、猫たちのさまざまな名演技を捉えることができた。

スタッフは、本作について「2匹の猫の天才的な名演技と山本監督の"猫好きが違和感を感じない猫映画を撮る"という強い執念によって実現した数々の感動のシーン」と説明し、「そして、奇跡ともいえるラストシーンは、猫好きの人こそ思わずうなってしまうこと間違いなしです!」と太鼓判を押している。

(C)2015 杉作・実業之日本社/「猫なんかよんでもこない。」製作委員会