米AMDはこのほど、同社が2016年中に投入を予定するデスクトップ向けプロセッサに関する情報をアップデート。次世代x86コア"Zen"を採用するCPUは「Summit Ridge」、既存の"Excavetor"コアを採用する第7世代APUは「Bristol Ridge」の開発コード名であることが明かされた。

次世代プロセッサは「Summit Ridge」と「Bristol Ridge」。投入次期は「2016年中」から変わらず

AMDは2015年5月に2015年~2016年にかけてのロードマップを発表し、2016年にハイエンド向けとして新x86コア"Zen"を採用したCPU「AMD FX」、メインストリーム向けに第7世代APU「AMD Aシリーズ」投入するほか、プラットフォームを現行の「AM3+」や「FM2+」から刷新し、「AM4」に統一することやDDR4メモリのサポートなどを予告していた。

2015年5月に公開された資料。デスクトップ向けはAM4プラットフォームに統一されることなどは、この時点ですでに触れられている。また、今回モバイル向けAPUについての言及はなかったようだ

今回の発表はこれに続くもので、2つのプロセッサが「Summit Ridge」「Bristol Ridge」の開発コード名で呼ばれることが明らかとなった。またロードマップでは「AMD FX」(Summit Ridge)では"Zen"を採用すると明記していた一方で、第7世代APU「Bristol Ridge」ではCPUコアが明確ではなかったが、これについても既存のモバイル向けAPU「Carrizo」と同様に"Excavetor"が採用されることが明かされた。

Zenは新設計のCPUコアで、パフォーマンスと効率の向上を実現するという。2015年5月にAMDが公開した資料では、"Excavator"コアと比較して、IPC(Instruction per Clock)が40%向上するとしている。

Zenコアの概要。製造はFinFETの予定で、おそらく先日発表された次世代GPU"Polaris"と同様に14nm FinFETを採用すると思われる

"Excavetor"のようなBulldozar系コアとまったく異なる設計で、IPC(Instruction per Clock)を40%向上させることができるという

新APU「A10-7890K」や新リテールクーラーなども投入

また、AMDは「A10-7000」シリーズAPUの新モデル「A10-7890K」を発表した。既存の最上位モデル「A10-7870K」では最大4.1GHz(ターボ時)のところ、最大4.3GHzまで引き上げる。これ以外のスペックに加え、発売時期や価格は不明となっている。

新APU「A10-7890K」が投入されるということは、「Bristol Ridge」はすぐに登場しない可能性が高い

さらに、次世代CPU向けとして新しいリテールクーラー「THE AMD WRAITH COOLER」を発表した。ヒートシンクやファンを改良し、風を受けるフィンの面積を24%、風量を34%増加させたほか、クーラーが発生させるノイズも従来と比べて10分の1に減少したという。

新しいリテールクーラー「THE AMD WRAITH COOLER」

AMDが公開した動画によると、「THE AMD WRAITH COOLER」は従来のクーラーと比べて一回り大きく、動作音はかなり小さくなっている

現行プラットフォームで最新インタフェースをサポート

このほか、Socket AM3+やSocket FM2+といった現行プラットフォームを採用したマザーボードで、USB 3.1やM.2スロットといった最新のインタフェースをサポートすることも明らかとなった。すでにGIGABYTEMSIから対応マザーボードが発表されている。

既存プラットフォームにも手が入るのであれば、やはり次世代プロセッサの投入はしばらく先になりそうだ