日本銀行は13日、2015年12月のマネーストック速報を発表した。それによると、現金通貨や預金通貨などを合わせた指標「M3」の平均残高は前年同月比2.5%増の1,239兆3,000億円となり、過去最高を更新した。伸び率は前月より0.2ポイント縮小し、4カ月連続で鈍化した。

現金通貨は6.3%増の90兆8,000億円

日銀は「銀行貸出のプラス幅が縮小したことや、消費税収の上昇、日本郵政の自社株買いにより資金が政府に移ったことで、伸び率が縮小した」と分析している。

M3の内訳を見ると、現金通貨と預金通貨で構成される「M1」は前年同月比4.4%増の630兆8,000億円で、伸び率は0.5ポイント縮小。M1のうち、現金通貨は同6.3%増の90兆8,000億円で、伸び率は0.1ポイント拡大。預金通貨は同4.1%増の540兆円で、伸び率は0.6ポイント縮小した。

マネーストック(出典:日本銀行Webサイト)

準通貨は同0.4%増の569兆3,000億円で、伸び率は0.1ポイント縮小。CD(譲渡性預金)は同3.5%増の39兆2,000億円で、伸び率は1.1ポイント拡大した。

M3からゆうちょ銀行への預金を除いた「M2」は同3.0%増の921兆1,000億円で、伸び率は0.3ポイント縮小。M3に投資信託や国債を加えた「広義流動性」は同3.6%増の1,637兆1,000億円で、伸び率は0.4ポイント縮小した。