アボット ジャパンはこのほど、「i-STAT 心筋トロポニンI(cTnI)」を発売した。

同製品は血液検査で、上昇すると心筋の損傷を示す「トロポニン」というタンパク質を迅速かつ正確に検出する機器。医療従事者は、携帯型血液分析器である同社の「i-STATシステム」と、採取した血液2、3滴でトロポニン検査を行い、約10分という短時間で定量的測定結果をベッドサイドで入手できる。

世界保健機構(WHO)によると、心疾患は日本における主な死亡原因の1つであり、その死亡者数は毎年10万2,000人を超えている(World Health Organization. "Japan: WHO Statistical Profile."2012.)。

心臓発作を起こしている患者にとって、診断にかかる時間はその転帰を左右する重大な問題となる。しかし、救急診療を訪れる人の中には、来院後すぐにトロポニン検査のために採血を受けたにも関わらず、検査結果が出るまで1時間以上待ち、その後診断が行われるケースも多いという。来院後、最初の数時間は、医師が大部分の心筋損傷を防げる時間であるが、診断が遅れると永久的な心筋損傷につながる可能性も高い。

同社のi-STAT心筋トロポニンI検査であれば、検査全体にかかる時間が短縮可能。医師は心臓発作の可能性を迅速に除外することができるため、誤診の発生率も低くなり、不必要な処置の減少にもつながるという。