Cotaはワイヤレス給電の際に、デバイスから電池残量などのデータを同時に取得する機能も備えており、「最大1Mbpsでデバイスと通信できる」(ゼイン氏)と説明する。実際にブースでは、チャージャーが給電している複数のデバイスの電池残量をスマートフォンのアプリに表示できることを示した。
さらにWebブラウザからデバイスを管理したり、Cotaに対応したアプリを入手したりできるようになるという。今後、KDDIとOssiaはデバイスメーカーやアプリ開発者に対し、ワイヤレス給電を用いたクラウドやアプリ開発のプラットフォームを提供し、開発を支援していくとした。
クラウド上からワイヤレス給電しているデバイスを管理できる(Ossiaが公開したデモ動画より) |
Cota対応アプリの開発や配布などのプラットフォームも提供する(Ossiaが公開したデモ動画より) |
チップは小型で将来的には1~2ドルのコストに抑えられるという |
果たしてCota対応製品が市場に投入されるのはいつ頃になるのだろうか。ゼイン氏は「米国では2016年末を目指している。今年中にFCCの認可を取ることで、製品として発売できる準備が整うだろう」(ゼイン氏)と見通しを示す。
もちろん、米国に続いて、KDDIによる日本市場への導入も視野に入れている。ただし、その際の課題は法整備であるという。
「日本では2017年や2018年といった時期になるだろう。日本の電波法には無線給電の規定がない。端末メーカーとしても法整備されていない技術に取り組むのは難しいはずだ。総務省もこの分野には関心を持っているので、相談していきたい」(雨宮氏)
家庭内だけでなく、公共施設や交通機関にCota対応のチャージャーが設置されれば、対応デバイスが街中の至るところで給電を受けられる世界も夢ではないと言える。法整備に向けて働きかけながら、チャージャーとデバイスの両方をどのように普及させていくかが課題になるだろう。