熊本電気鉄道はこのほど、5000形5101A号車の引退について発表した。「青ガエル」と呼ばれ親しまれた東急電鉄5000系(初代)を1985年に譲り受け、おもに上熊本~北熊本間で活躍してきた車両だが、今年2月14日の運行をもって引退が決まった。
東急電鉄5000系(初代)は引退後、全国の地方私鉄に譲渡された。しかし冷房化の改造ができないこと、部品の調達ができなくなってきたことなどを理由に廃車が進み、現在も運用されているのは熊本電気鉄道の車両のみ。5101A号車・5102A号車の2両が在籍したが、5102A号車は昨年引退している。5101A号車は2014年10月まで、ラッピングを施した「ケロロ電車」としても活躍していた。
今回の発表で、5101A号車の引退日までの営業運転予定日が明らかに。1月17・24・31日と2月7・13日は上熊本~北熊本間で終日運行予定。2月13・14日に引退イベントが開催され、14日は北熊本駅構内での写真撮影会や、「青ガエル大好きジャズギタリスト」小沼ようすけさんによるミニライブ(6000形車内で2回実施。有料)なども行われる。同日の北熊本駅16時32分発の電車から最後の営業運転が行われ、最終列車まで上熊本~北熊本間を往復し、運転士への花束贈呈で運行終了となる。
引退日は多数の来場・乗車が予想される。しかし5101A号車は1両で運行されることから、「一般のお客様への影響を最大限回避したく、最後の雄姿をご覧になる方は、最終日前までの運行予定日にご乗車いただければ、最終日の混乱を少しでも緩和することができます」と熊本電気鉄道。鉄道ファンへ協力を呼びかけている。なお、安全確保などの理由で引退イベントが変更・中止となる場合もある。
引退後の5101A号車に関して、同社によって保存されることも発表された。「営業線での活躍はできないものの、北熊本駅での保存を予定しており、車両工場内でのイベント等の時に皆様にお楽しみいただければと考えております」とのこと。