「山ガール」がブームになったのは数年前だが、そういえば、「島ガール」なんて言葉もあったなぁと懐かしく思う今日この頃。しかし、「島」や「離島」という言葉は確かになんともいえないワクワク感やロマンが詰まっており、気持ちを高揚させる。

首都圏に住む人々にとって離島といえばどこを思い浮かべるだろうか。実は東京から一番近い離島は、静岡県唯一の有人島である「初島」とされており、本州からは約10kmの距離。直通フェリーでたったの30分で到着する近さだ。東京から熱海へは、新幹線を利用すれば約50分なので、これなら子ども連れでも気軽に行けそう。というわけで、1泊2日の子連れ離島旅行に出発だ!

初島が位置するのは、静岡県熱海市本土から南東へ約10㎞。熱海駅からバスで15分程の場所にある熱海港から、直通の高速船が出ている。600人程が乗ることができる大型の船で、揺れもそれほど感じられない

初島には宿泊施設が

今回乗ったのは昨年3月に新造された高速船「イルドバカンス プレミア号」。エレベーターもあり、子ども連れには、靴を脱いでくつろげる地下1階のスペースがオススメ

初島は0.437平方キロメートル。周囲も約4kmと小さな島だが、宿泊施設も2施設ある。「エクシブ初島クラブ」と「初島アイランドリゾート」だ。エクシブ初島クラブは会員制リゾートなので、今回は一般に利用しやすい初島アイランドリゾートを目指した。

熱海から船に乗り、初島の港で下船。海を見てみると、驚きの透明度! 「ここは沖縄の離島!? 」と思うくらいで、泳いでいる魚が見える。港付近には魚貝料理の店が立ち並び、観光客で賑わっている。そこから15分ほどのんびりと道を歩くと、初島アイランドリゾートの施設案内が見える。最後の最後には長い階段を頑張ってのぼらないといけないが、階段をのぼりきればグリーンガーデンが目の前に広がる。

約1時間半の移動の疲れもなんのその。広々としたガーデンで子どもは走り回る!

施設内には、カフェや雑貨ショップを備えた「アジアンガーデンR-Asia」、ハーネスを着用して木の上を歩くというアドベンチャー施設「SARUTOBI」などがある。そして、その奥にはトレーラーヴィラとキャンプヴィラが。トレーラーヴィラ(1人あたり7,900円~税込)にはトレーラーハウスが配置され、冷暖房にトイレ、シャワールーム完備。夏でも冬でも快適に過ごせる。またトレーラーハウスの前にはBBQスペースがあり、ガス式BBQグリルやテーブル、ハンモックまで備えられている。夕食用にBBQ用食材をトレーラーハウスまで届けてくれるので、機材を準備することなく、手軽にBBQが楽しめるのがうれしい。テントヴィラ(1人あたり7,200円~税込)も二重構造の天幕に冷暖房完備とシーズン問わずの快適さ。またこちらもトレーラヴィラ同様に、BBQが楽しめるようになっている(料金は、共に6名で1棟かりた場合で3月までの料金)。

トレーラーヴィラ。トレーラーハウス内は冷暖房完備。トイレやシャワールームもあり快適

子どもは初めてのBBQに大興奮。キャアキャアとハイテンションで焼き立ての魚貝を楽しんでいた。すると、どこからともなく猫が。初島アイランドリゾートの広報さんに聞くと、初島では地域猫がたくさんいるのだとか。施設内でも運がよければその猫たちの姿を見ることができる。大自然と猫ののんびりとした姿に癒やされつつ、夜になれば波の音を聞きながらの星空観察もできる。

夕食用のBBQ食材は宿泊施設まで運んでくれる。基本食材は宿泊料金に込み

ふらーっと歩いてきた猫は初島の地域猫なのだとか。油断しきった猫の姿に癒される

ちなみに施設内には海泉浴が可能な施設「島の湯」もある。海岸の地下40mからくみ上げた井戸水を沸かしたものといい、多量のミネラル分を含む。夜は21時まで営業しているので、こちらの広々としたお風呂を楽しんで眠りにつくのもオススメだ。

朝食には、ホットサンドベーカーと食材が部屋に用意されているので、それを使ってのセルフクッキングメニューをどうぞ。いま、ちょっとしたブームになっているホットサンドだが、まさかここで食べられるとは思わなかった。

海に臨む「島の湯」。海岸の地下40mからくみ上げた井戸水を沸かしており、ミネラル分豊富な湯を楽しめる。海岸線ギリギリに設けた露天風呂からは一面の海が

「SARUTOBI」は、専用ハーネスを着用し、樹の上を渡っていく自然体験施設

さて、自然いっぱいの初島だが、「やっぱりホテルや旅館に泊まりたい……」という人は、熱海を拠点にしたプランを提案したい。熱海の旅館で1泊、1日目か2日目に日帰りで初島を楽しむといった内容だ。詳細は続く後編にてお伝えしよう。