ラーメンと古着と阿波おどりの街・高円寺(東京都杉並区)。大道芸などの大規模ストリートイベントが行われることで知っている人も多いのではないだろうか。さらにここは文化の街でもある。村上春樹著の『1Q84』の舞台となっていたり、ねじめ正一氏の小説にいたっては、タイトルである『高円寺純情商店街』がそのまま商店街の名称として採用されていたりするほど。

高円寺のシンボル的存在「高円寺純情商店街」。ゲートを見上げると……そこには杉並区ゆるキャラ「なみすけ」が

実はこの高円寺、純情商店街を始めとした10以上もある商店街の密集地である。それぞれは案外こじんまりとしたサイズで、ブラブラ歩いていると自然に別の商店街に入り込んでいることも。商店街ごとに趣が異なるため、目的に合った通りだけにしぼって訪れてもいいのだが、気にしていなかった路地に入ってみると不意に面白いお店が見つかるのが高円寺のいいところ。今回は、キョロキョロしながら歩きたくなる高円寺の商店街を紹介しよう。

街のシンボル的な「高円寺純情商店街」

高円寺の商店街は大きく北口と南口に分かれている。元祖商店街は北口、古着屋などが多く活気があるのが南口だ。その北口に位置する「高円寺純情商店街」の本当の名前は「高円寺銀座商店街」。なぜかみんな"銀座"が好きである。ここは北口駅前に見える商店街のゲートからほんの200m四方程度の広さながら、戦前から栄えている歴史ある商店街だ。

現在は大手チェーン店が参入しているものの、古くからあるお店も少なくない。入り口のゲートは街のシンボル的に親しまれているもので、2013年にグリーンから赤に塗り替えられた。よく見ると上のすき間に杉並区のゆるキャラ「なみすけ」がちょこんと乗っかっている。

「バームクーヘン工房HANAMIZUKI」の「焼きたてふわとろチーズ(ミニ)」(200円)は、真ん中にチーズケーキのような風味のメレンゲクリームが入った珍しいバームクーヘン。冷やしても凍らせてもおいしい

この商店街の中をグルグルと歩いてみてみよう。映画・演劇・音楽などを中心とした古書店「七星堂古書店」や、明治・大正・昭和時代の道具類を扱った「古道具権ノ助」、吸い込まれてみたくなる昭和風の喫茶店など、興味深いお店を見つけられるはずだ。小腹がすいたら「バームクーヘン工房HANAMIZUKI」の「焼きたてふわとろチーズ(ミニ)」はいかがだろう。1個200円とお手ごろなのがうれしい。