説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『左利きだとiPhoneは使いにくいの?』という質問に答えます。

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基本的にiPhoneは左右対称デザインですが、上下のボリュームボタンやスリープボタン、サイレントモードの切り替えスイッチについては非対称です。背面上部にあるメインカメラ(iSightカメラ)も、左端寄りに設置されています。その意味でiPhoneは、左右どちらの手で構える/操作するかにより差が生ぜざるをえないデバイスといえるでしょう。

ただし、「ユニバーサルデザイン」により性別や年齢、国籍を超えた操作性/使いやすさを目指すという点において、iPhoneはよく考えられています。たとえば、指紋認証機能のTouch IDは、左右のどちらの手の指でも(その気になれば足の指でも)登録でき、使い勝手に関して差はありません。『メール』アプリで不要なメールを削除するときのフリックも、左右どちらの方向にも変更できます。これらの機能は、ユーザの利き手を意識した結果でしょう。

アプリアイコンの配置ルールも基本的には左右対称なため、利き手の違いによる差は生じにくくなっています。通知センターやコントロールセンターを表示するためのツマミは、画面の中央に配置され、左右どちらの手を使っても差は生じにくくなっています。3D Touch対応機でアプリアイコンを押すと表示されるメニュー(クイックアクション)も、アイコンの位置に関係なくつねに画面中央寄りに表示されるなど、利き手の違いによる操作性の差を生じさせにくくなっています。

残念ながら、完全左右対称デザインのアプリは多くありませんが、キーボードの表示位置を画面右寄り/左寄りから選択できる『片手deキーボード』のように、左利きユーザを意識したサードパーティー製アプリも存在します。スリープボタンの位置などハードウェアは変えられませんが、カスタマイズをくわえることで左利きユーザでも快適に使えるようになるのではないでしょうか。

ハードウェアは変更できないものの、左利きユーザを意識したサードパーティー製アプリでカスタマイズするという手があります