経済産業省は28日、2015年11月の鉱工業指数速報(2010年=100、季節調整値)を発表した。それによると、11月の鉱工業生産指数は前月比1.0%低下の97.8となり、3カ月ぶりに低下した。同省は、基調判断を前月までの「生産は一進一退で推移している」に据え置いた。

2015年11月鉱工業指数(出典:経済産業省Webサイト)

前月好調だった業種の反動減で低下

業種別にみると、はん用・生産用・業務用機械工業、化学工業(医薬品を除く)、金属製品工業などで低下し、プラスチック製品工業、非鉄金属工業、その他工業などで上昇した。 同省は低下の要因について「前月好調だった業種の反動減」と分析。「はん用・生産用・業務用機械工業では前月上昇に寄与した上位3品目が今月は低下した。また化学工業では国内の車で生産が減少したこともありタイヤに使用されている合成ゴムが低下した。そのほか、前月押し上げていた窯業・土石製品工業など基調的に弱い業種が今月は剥落して低下した」と説明している。

出荷指数は同2.5%低下の96.3と、3カ月ぶりの低下。業種別では、石油・石炭製品工業、鉄鋼業、化学工業(医薬品を除く)などで低下し、プラスチック製品工業、非鉄金属工などで上昇した。

在庫指数は同0.4%上昇の111.8と、3カ月ぶりの上昇。在庫率指数は同2.9%上昇の115.2と、同じく3カ月ぶりに上昇した。

併せて発表した製造工業生産予測調査によると、12月は同0.9%の上昇、2016年1月は同6.0%の上昇と予測。12月の上昇は、情報通信機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業、化学工業業などによる見通しで、1月の上昇は、はん用・生産用・業務用機械工業、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業などによると予想している。