ランスタッドホールディング・エヌ・ヴィーは18日、「2016年の景況世界比較」の結果を発表した。同調査は世界34の国と地域で実施する労働者意識調査「ランスタッド・ワークモニター」(2015年第4四半期)を元にしたもの。調査期間は10月1日~11月4日。
世界の6割が「自国経済状況は好転する」と予測
「2016年の経済状況」について、「来年には自国内の経済状況は好転していると思うか」と尋ねたところ、「好転すると思う」と回答した人はグローバル平均で58.0%だった。
国別にみると、最も楽観的なのは「インド」で90%が「好転する」と回答。「ブラジル」「メキシコ」「スペイン」「ポルトガル」「中国」の5カ国も8割以上が好転すると予測している。一方、「好転する」と予想する人が最も少なかった国は「ギリシャ」で19%。以下「チリ」「日本」「スウェーデン」「フランス」「ベルギー」が続く。
日本は世界で3番目に消極的な37.5%だったが、昨年同時期の30.6%から2年ぶりに増加した。
「来年の給与増」について「期待している」と回答した日本の働き手は25.7%。昨年同時期から5%増加し、2012年以来3年ぶりに回復した。世代別では、18~24歳が一番高く、半数以上が「期待している」と回答。世代が上がるごとに期待は下がる傾向となった。
「自社の業績」は昨年を上回ったかどうかを尋ねたところ、国内労働者の52.6%が「上回った」と回答した。
調査結果についてランスタッドは「11月発表の最新の有効求人倍率は1.24倍でバブル崩壊直後の1992年と同水準、完全失業率も65カ月連続減少の3.1%だった。求人数の増加と失業者数の減少に伴い、人手不足の傾向が一段と強まっていることから、本調査でも来年の景気回復、昇給への期待が高まったことがうかがえる。しかし、景気が上向いたからとはいえ、固定費増に直接的につながる昇給に関しては、まだ慎重な企業も多いのではないか」(代表取締役社長 兼 COO 猿谷哲氏)とコメントしている。
(※調査実施国……アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、中国、チェコ、 デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、香港、ハンガリー、インド、イタリア、日本、ルクセンブルク、 マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ノルウェー、ポルトガル、ポーランド、シンガポール、 スロバキア、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、オランダ、英国、米国の計34の国と地域)