最近よく耳にするようになった「セスキ炭酸ソーダ」。100円ショップでも、重曹やクエン酸などのナチュラル洗剤と並んで売られるようになりました。成分や活用方法がわからなくて……という人もいるかもしれませんが、セスキ炭酸ソーダは、とっても便利なお掃除アイテムなのです。そして、その使い道の広さは「定番の重曹よりも多い」とも言われています。ここでは、セスキ炭酸ソーダの基礎知識と、お掃除での活用方法を詳しく紹介します。
セスキ炭酸ソーダってなに?
重曹の方が先に "ナチュラル洗剤" として広く認知されるようになりましたが、セスキ炭酸ソーダは重曹と同じアルカリ性洗剤です。重曹に比べると水にも溶けやすく、洗浄力に定評があります。
サラサラとした結晶になっているので、常温で保存しても変質せず、重曹と同じ無機物なので、比較的 "地球にやさしい" 物質とされています。
セスキ炭酸ソーダが配合されているものといえば、家庭用洗剤や入浴剤などがあります。実は、市販の入浴剤の主成分にもなっているってご存じですか? お風呂に入れると、自宅で美人湯が楽しめそうです。ただし、セスキ炭酸ソーダにはたんぱく質や皮脂を溶かす作用があります。肌の弱い人は、肌荒れの原因になることもありますのでご注意ください。
セスキ炭酸ソーダが得意とすることはなに?
セスキ炭酸ソーダは酸性の汚れに効果的です。アルカリ性なので、汚れの主成分である脂肪酸やタンパク質を溶かす効果があります。脂肪酸の汚れとは、主に皮脂や垢、台所の油汚れなど。また、タンパク質の汚れは、血液の汚れや台所汚れに多く含まれているので、そのような汚れに対してとても効果的です。
セスキ炭酸ソーダ水のスプレーを作って活用しよう♪
セスキ炭酸ソーダは、水に混ぜて「セスキ炭酸ソーダ水」にし、壁紙やコンセントスイッチ周辺など、ベタベタ触るところなどの手アカやタバコによるヤニ汚れに吹き付けて掃除すると、スッキリ落としてくれます。
ただ、掃除の最中に液だれしてしまうので、さほど汚れがひどくない部分には布に吹き付けてから拭くか、またはキッチンペーパーを貼り付けてセスキ炭酸ソーダ水を吹き付けます。
そのまましばらく放置しておくと、汚れが浮き出てくるので、あとは雑巾で拭きとり、仕上げにから拭きをしましょう。
セスキ炭酸ソーダ水の作り方
・セスキ炭酸ソーダ水 小さじ1
・水 500 ml
これをスプレー容器に入れて混ぜればOKです。
皮脂や垢にも強いので、ワイシャツの襟や袖の汚れにも
洗濯物を洗濯機で洗う前の下ごしらえとして、セスキ炭酸ソーダ水をワイシャツの襟や袖にスプレーをかけて活用する方法もあります。しばらくシャツになじませてから、ブラシなどでこすって汚れをある程度落とし、その後で他の洗濯物と一緒に洗濯します。そうすると、漂白剤を使わなくてもイヤな汚れが落ちやすくなります。
キッチン掃除の強い味方
セスキ炭酸ソーダを使って、換気扇のプロペラやガスレンジの五徳など、油汚れが付着したものをまとめ洗いする方法があります。
台所のシンクにダンボールを置き、中にゴミ袋を入れて、下の部分の角をカットします (中に入れたゴミ袋の端を出しておき、最後に排水するため)。ゴミ袋を広げた段ボールの中に、洗いたいものを入れていきます。そこに60℃のお湯をたっぷり入れます。
セスキ炭酸ソーダを使って換気扇や五徳を丸洗いする方法はこちら |
セスキ炭酸ソーダを、ダンボールに大さじ1杯入れて混ぜます (やけどを防ぐため、厚手のゴム手袋を使用してください)。約1時間放置すると、汚れが落ちて浮き上がってきます。あとは、軽くこすっただけで油汚れが落ちます。
役目を終えたお湯は、ダンボールのカットした部分から飛び出しているビニールをハサミで切って、台所のシンクに流せばOKです。
この方法、力も不要ですし、まとめ洗いによる時短効果も得られるのでオススメです。
セスキ炭酸ソーダの苦手なことは?
いくらセスキ炭酸ソーダを使ってゴシゴシ磨いても、汚れが全然取れない……おかしいな……と思ったら、それはかなりひどい汚れということです。
例えば、機械の油や衣類についてしまったシミ、泥汚れで真っ黒になった子どものソックスなど……このような汚れには、石けんなどの界面活性剤の方が適しています。
お掃除をする時は、「油汚れ=酸性=アルカリ性の洗剤を使う」「水アカなどの汚れ=アルカリ性=酸性の洗剤を使う」というように、汚れの内容を見極めて、洗剤を使い分けるようにしましょう。掃除は化学なのです! とても面白いですよ。
セスキ炭酸ソーダを使うときに気をつけること
セスキ炭酸ソーダを使うと、黒く変色してしまう素材があります。
それはアルミや畳、白木、木の素材など。このような素材に使用すると、黄色くシミになり、一度シミになると取れません。また、セスキ炭酸ソーダは、アルカリ性でタンパク質を溶かす力がありますので、手の脂まで取ってしまいます。お掃除の際は、できるだけゴム手袋を使用しましょう。また、湿気を吸うと固まってしまいますので、保管時はフタ付きの密閉容器を使用しましょう。
教えてくれたのは……
きれい収納コーディネーター 高橋和子さん
フェリシア ラボ代表。女性支援のために整理収納サービス・家事代行サービスを提供中。テレビや雑誌などのメディアでも活躍するほか、セミナーでの講義も多数こなす。一般社団法人日本エグゼクティブプロモーター協会の代表理事 (EPAJ) も務める。
執筆:Honu
フリーランスのライターです。サッカーをする息子を応援しながら音楽と踊りをこよなく愛し趣味に生きる母。
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