住友生命保険は16日、「第26回 2015年の世相を反映した『創作四字熟語』50編』」を発表した。同企画は、1年の出来事を漢字4文字で振り返るというもの。9月18日~11月4日の期間に募集されたもので、有効作品数は9,857作。審査員は歌人の俵万智氏。
「社会問題」に関する作品が最多
今年の作品の傾向をみると、災害や同性パートナーなどの「社会」に関する作品が27.7%で最多。続いてマイナンバーや18歳選挙権などの「政治」関連が23.5%、ラグビーW杯やノーベル賞などの「文化」が20.8%となった。
優秀作品10編には、選挙権を18歳以上に改正する「責任十代(せきにんじゅうだい/責任重大)」、2016年より利用開始のマイナンバーを現す「波乱番号(はらんばんごう/波乱万丈)」、中国人観光客の爆買いを意味する「占客爆買(せんきゃくばくがい/千客万来)」などの創作四字熟語が選出された。
入選作品のうち、経済に関連するものではTPP交渉大筋合意を示す「関税消壁(かんぜいしょうへき/関税障壁)」、北陸新幹線開通にちなんだ「輝路盛線(きろせいせん/理路整然)」「加賀遊銭(かがゆうせん/加賀友禅)」、プレミアム商品券の「優券販売(ゆうけんはんばい/優先販売)」、後ろだおしになった就職活動を意味する「就活遅延(しゅうかつちえん/就活支援)」などが選ばれた。
審査員の俵万智氏は審査について、創作四字熟語を用いて次のようにコメントしている。
『『責任十代(せきにんじゅうだい)』は選挙権だけでなく、若い世代の政治への関心を期待したいですね。『仮装狂騒(かそうきょうそう)』はおなじみとなったハロウィンの光景がピタっと言い当てられた佳品。『波乱番号(はらんばんごう)』の波乱はなるべく小さく、『柱途半端(ちゅうとはんぱ)』は中途半端で終わってほしくない1件です。『占客爆買(せんきゃくばくがい)』は、千客万来との重ね合わせが秀逸。爆買は流行語にもなりました。『邸空飛行(ていくうひこう)』や『欧行民族(おうこうみんぞく)』など、社会や世界の不安定さを表現したものも多く見られました。そんな中、多くの人が感動を共有できるスポーツの力を感じさせるのが『二人三達(ににんさんたつ)』と『蹴姿一貫(しゅうしいっかん)』。新機軸の『福婚悲嬢(ふくこんひじょう)』は、元の四字熟語を連想するより先に、今年の日本のとある状況を想起させられ、印象に残りました」(俵万智)