セコムはこのほど、「日本人の不安に関する意識調査」の結果を発表した。それによると、最近不安を感じていることとして最も多かった回答は「老後の生活や年金」で、約7割に上った。
治安悪化に不安、でも「防犯対策はしていない」
最近、何かに不安を感じていることはあるかと尋ねたところ、「感じている(計)」と答えた人は75.0%と前年より4.6ポイント増加した。男女別では男性より女性、年齢別では高齢者より若年層で不安を感じている人が多い傾向がみられたという。
最近不安を感じていることを聞くと、「老後の生活や年金」が70.1%でトップ。以下、「健康」が61.1%、「地震」が43.2%、「テロ」が36.3%、「高齢化」が34.7%と続いた。同社は「『2025年問題』が控える中、超高齢者社会に対する不安が高まっており、今後も老後に対する不安を感じる人は増えていくのではないか」と分析している。なお、フランス・パリのテロ発生前に「テロ」と答えた割合は13.8%だったが、今回は約3倍に急増している。
今後、治安悪化や犯罪増加の可能性があると考えている人は計84.8%。また、災害増加や被害の拡大の可能性があると考えている人は計83.0%に上った。一方、防犯・防災対策の有無については、「防犯対策をしていない」人は前年比1ポイント減の63.0%、「防災対策をしていない」人は同3.8ポイント減の65.6%と、前年より減少しているものの、対策を講じていない人が6割以上を占めた。同社は「身近に危険を感じないと対策を採らないのではないか。切迫感がまだないのかもしれない」と推測している。
調査期間は2015年12月4~7日、有効回答は20代以上の個人500人。