ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン(GfK Japan)は12月22日、HEMS(※)利用世帯の蓄積データを分析して、主要家電における季節ごとの電力使用状況について発表した。調査の対象となったのは75世帯で、調査期間は2014年1月から12月。
※HEMS:Home Energy Management Systemの略。家電や電気設備とつなぎ、エネルギー使用状況を可視化したり、自動制御したりするためのシステム。

調査結果によれば、年間を通じてもっとも電力を使用するのは冷蔵庫で、世帯の年間電力使用量の約13%を占めた。ただし、12月から2月までの冬季はエアコンの電気使用量が冷蔵庫を上回っている。

家電製品の電力使用量は季節によって変化。その内訳をみると、たとえばエアコンは6月から8月までの夏季において、電気使用割合が全体の約12%だったのに対し、冬季は約16%に上昇。反対に、冷蔵庫は夏季が18%を占めるのに対し、冬季は8%まで縮小する。

季節ごとの主要家電の電力使用量構成比

冷蔵庫は夏季が冬季の1.7倍、エアコンは冬季が夏季の約2倍の電力使用量になった。このように、夏季と冬季で電力使用量の差が大きい冷蔵庫とエアコンで、1日の電力使用量推移を調査。

1日あたりの電力使用量推移をみると、冷蔵庫は食事の準備時間と思われる8時、13時、19時付近でわずかに増える。また、全国の家電量販店にて販売された冷蔵庫(容量400L台)の年間消費電力量平均値は2012年が367kWh、2013年が321kWh、2014年が274kWhであり、年々省エネ化が進んでいることがわかる。一日を通じて電力使用量に大きな変動はなく、時間帯よりも外気温や冷蔵庫の省エネ性能が増減に影響を与えると予想される。

一方、エアコンの1日あたりの電力使用量推移は、夏季には気温が上昇する午後から上昇し始め、20時台にピークとなる。冬季には7時台と20時台にピークが見られ、時間帯による変化が目立った。ちなみに、HEMS利用世帯へのアンケート調査(59のHEMS利用世帯が対象)では、エアコンの平均的な設定温度が冷房使用時で26℃、暖房使用時で22.8℃であることがわかった。資源エネルギー庁はエアコン設定温度目安を冷房で28℃、暖房で20℃としており、実際の設定温度と2~3℃の差がある。

冷蔵庫の1日の電力使用状況(夏・冬)

エアコン(リビング)の1日の電力使用状況(夏・冬)