みずほ銀行は21日、ユーシーカード(以下UCカード)およびNTTデータ、沖電気工業(以下OKI)と連携の上、海外発行カードが利用できる専用ATMを設置し、海外発行MasterCard/Visaの取り扱いを開始した。同時に、邦銀初という多通貨決済サービス(※)の提供を開始した。
(※)訪日外国人旅行者がATMにて日本円を引き出しする際に、「自国通貨建て」か「円建て」のどちらかを決済通貨として選択できるサービス。多通貨決済サービスを利用できるのは、海外発行MasterCardのみ。
日本円の現金の引き出しと残高照会が可能
訪日外国人旅行者数は9月末時点で1,400万人を超え、昨年合計を上回っている。さらに2020年に年間2,000万人を目指して、官民の関係者が一丸となり観光立国の実現に向けた取り組みを進めている。
みずほ銀行によると、「訪日外国人旅行者からの要望が強い海外発行カードでの引き出しを実現するため、海外発行カード専用ATMを設置・展開し、増加する訪日外国人旅行者の利便性向上に努めていく」としている。
海外発行カード専用ATMでは、訪日外国人旅行者が持つ海外発行MasterCard/Visaのカードで日本円の現金の引き出しと残高照会が可能となる。
また、同時に開始する多通貨決済サービスでは、日本円の引き出しの際、従来の円建てでの金額に加え、顧客の自国通貨に換算された決済金額をATM画面に表示し、顧客自身が「円建て」か「自国通貨建て」かのどちらで決済するかを選択できるようになる。これにより、自国通貨建てでの決済を選択する顧客は、日本円を引き出しの際に、実際に決済される際の為替レートを即時確定させることができるという。
同サービスでは、訪日旅行者数や日本でのカード利用が多い国を対象に34通貨に対応する。なお、ATMで多通貨決済サービスを提供するのは、邦銀初となるという。
みずほ銀行および、UCカード、NTTデータ、OKIでは、さらなる取り扱い可能ブランドの拡充を図るとともに、2020年に向けて、同サービスが利用可能なATMを訪日外国人旅行者の多いエリアから1,000拠点規模に拡大することを目指し、今後増加が見込まれる訪日外国人旅行者の利便性向上に努めていくとしている。