日立製作所はこのほど、同社グループの日立レールイタリアが、イタリアの鉄道運営会社フェロヴィノルドミラノ(FNM)から2階建て通勤車両16両(4編成)を受注したと発表した。受注金額は約53億円。

フェロヴィノルドミラノに納入する2階建て通勤車両

今回の受注は、日立レールイタリアがFNMの子会社と2006年に締結した契約にもとづく追加受注。イタリア北部のロンバルディア州ミラノ周辺の在来線に2017年7~11月にかけて先頭車両8両・中間車両8両を納入する契約で、納入後ただちに運行を開始する予定だという。今回の受注により、日立レールイタリア社がFNMグループから受注した車両の合計は、先頭車両60両・中間車両81両の計141両となる。

納入する車両は、3~6両編成を組み合わせて最大12両まで連結できるフレキシブルな車両編成が可能。先頭車両には96席、中間車両には122席の座席が設けられ、最小組成(3両)の314席から最大組成(12両)の1,360席まで、状況に合わせて輸送力を増減できる。

各車両にモーターを搭載しているため、電車1編成あたりの車両数を変更した場合でも1編成としての加速力を維持できるという。車両長は26m、最高速度は時速140km。車両の材質はアルミニウム合金を採用した。日立レールイタリア社が保有するイタリア北部のピストイア工場で製造し、モーターや電気品をはじめとしたコンポーネント品はイタリア中部のナポリ工場で製造する計画とされている。