おしゃれな「お使い包み」は、あらたまった場でも日常でも使用できる包み方です。風呂敷の包み方の中では一般的で、四角いものを包むものに適しています。平包みなどと違い、結び目があるので、包みがほどけにくいのも特徴の1つです。大事なものや贈答品を包んで移動するなら、この「お使い包み」を活用してみましょう。

お使い包みのやり方

包むものを風呂敷の対角線の中央に置きます。

手前の風呂敷を持ち上げ、包む物にかけます。

包む物からはみ出した三角の部分を、物の下に折り込みます。

向こう側から手前に風呂敷をかけます。

左側から、風呂敷を包むものの角が出るように斜め上に引っ張ります。

角を出した状態を維持しながら、左側の風呂敷を右方向へかけます。

今かけた部分が崩れてしまわないように、左手で端を握り込み、形を安定させましょう。

右側から、風呂敷を包むものの角が出るように斜め上に引っ張りながら、左へかけます。

両側の風呂敷をかけたら、両端を持って結びます。

一度交差させます。

下(手前)になった方を、反対側へ180度折ります。

上(手向こう)になった方を真下に下ろします。

折った下(手前)に通し、結びます。

最後に結び目を整えて完成です。

相手への心配りのための一工夫(隠し包み)

結び目を隠すことで、相手への心遣いを演出できるのが隠し包みです。 お使い包みから一工夫でできるので、「ご縁を長く大切に」とお伝えしたい時に活用されるとよいでしょう。

お使い包みの結び目の下にある部分を手向こうから引き出します。

結び目を隠すように風呂敷をかけ、形を整えます。

余った部分を下に折り込めば完成。これが隠し包みです。

今回使用した結び方は「真結び」と呼ばれ、風呂敷の結び方として最もポピュラーです。 移動中などはほどけにくいですが、開くときには力を入れなくてもほどけるので、大変便利です。

教えてくれたのは……

風呂敷研究家・和文化コンシェルジュ つつみ純子 さん

風呂敷文化を研究し、風呂敷について解説しながら実践する「風呂敷講座」を全国で開催している。2011年には国際交流基金から、ポーランド・ジョージア等に派遣され、文化交流事業の風呂敷講師として、大学・政府関係機関などでも講座を実施。2015年度からは、単位認定のある「風呂敷学」の授業を都立高校で行っている。お茶の水女子大学卒。

つつみ純子の和文化研究所

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