山口県岩国市の錦川に架けられた「錦帯橋」は、国指定の「名勝」にも選ばれた美しい橋だ。小説『宮本武蔵』の作中では、宮本武蔵と決闘した剣豪・佐々木小次郎が「燕返し」を編み出した場所としても描かれている。そんな錦帯橋のすぐそばにあるのが、「むさし」と「佐々木屋小次郎商店」という、両剣豪の名を冠する2つの飲食店。互いに目と鼻の先の距離にある両店は、豊富な品ぞろえのソフトクリームで今日もしのぎを削っているのだ。

錦帯橋のそばの"武蔵"と"小次郎"って?

上質な味わいの「佐々木屋小次郎商店」

「むさし」も「佐々木屋小次郎商店」も、錦帯橋を東側から西側へと渡ったすぐ先に位置している。まずは「佐々木屋小次郎商店」から紹介しよう。言うまでもないが同店の名前は、剣豪・佐々木小次郎に由来している。

「佐々木屋小次郎商店」では、30種類以上のソフトクリームをそろえる。「バニラ」「特撰抹茶」「ストロベリー」など定番のものから「ティラミス」「かぼちゃ」などのちょっと変わったフレーバーまでさまざまだ。

「佐々木屋小次郎商店」は30種類以上のソフトクリームをそろえる

期間限定の特別フレーバーもそろえており、筆者が訪れた11月には「モンブラン」(500円)が提供されていた。どのソフトクリームも濃厚でコクがあり、各フレーバーの風味も再現度が高いのが特徴。上質な味わいを追究した正統派のソフトクリームショップと言えるだろう。

特別フレーバーの「モンブラン」(500円)

圧倒的バリエーションの「むさし」

140種類ものソフトクリームを提供する「むさし」

次は、「佐々木屋小次郎商店」の目と鼻の先にある「むさし」をご紹介。"食事処"として店内で飲食メニューも提供しているが、同店も店頭でソフトクリームを販売しており、その数なんと100種類以上! しかも現在も増え続けており、筆者が取材した時点では140種類のソフトクリームをそろえていた。中には「ハバネロ」や「納豆」というものも……。

従業員におすすめのフレーバーを聞いてみると、「今は『金帯橋クレオパトラ』がおすすめですよ」とのこと。オーダーしてみると、「金帯橋クレオパトラ」は金箔がふりかけられたソフトクリームだった。フレーバーはバニラ味で、なめらかな舌触りと濃厚なミルク感が、普通のソフトクリームよりもリッチな印象だ。聞けば、合成添加物を一切使用しない自然素材100%のソフトクリーム「クレオパトラの涙」がベースになっているのだという。

金箔がふりかけられた「金帯橋クレオパトラ」(1,000円)

同商品の価格は1,000円だが、「むさし」では金箔を増量した「金帯橋クレオパトラ」も3,000円で販売している。とにかく豪華な気分を味わいたい、という方は挑戦してみてもいいだろう。もちろん、300円前後のリーズナブルな価格帯のソフトクリームも数多く取りそろえている。

店先には"豪華版"「金帯橋クレオパトラ」の写真も

実は、「むさし」がソフトクリームの販売を開始したのは「佐々木屋小次郎」よりも後のことだという。巌流島の決闘でも、小次郎より遅れてやってきたと一部では伝えられる武蔵。「佐々木屋小次郎商店」との勝負の状況を聞くと、「品数では勝っています」と答えてもらった。山口県にお越しの際は、ぜひともこの2店のソフトクリームを味わって現代の「決闘」を見届けてほしい。

取材協力: 山口県東京売り込みセンター

※記事中の情報・価格は2015年11月取材時のもの。価格は全て税込