山口県で観光といえば、秋吉台の鍾乳洞に岩国の錦帯橋、下関のフグ……あたりを思い浮かべる人が多いのではないだろうか。実は、山口県には中国地方有数の温泉街もある。そのひとつが、山口市の「湯田温泉」だ。そして、湯田温泉に遊びに行く際にぜひとも立ち寄っていただきたいのが、湯田温泉観光回遊拠点施設「狐の足あと」。山口県東京売り込みセンター主催のプレスツアーで体験したその魅力をお伝えしたい。
白い狐が見つけた湯田温泉
「湯田温泉」の開湯は約600年前といわれ、傷ついた白狐が毎晩泉につかってその傷を癒やしていたところを僧侶が発見したことに由来するという。そのため、湯田温泉のあちこちでは白い狐をかたどった像やイラストが見られる。今回紹介する「狐の足あと」の施設名も、その逸話に由来するものだ。
「狐の足あと」では、湯田温泉の街歩きに役立つ情報や、湯田温泉を拠点とした山口県内の旅行案内、ローカルグルメの情報などを展示やイベントを通して発信している。
同施設の最大の特徴は、観光情報を集められるだけでなく、実際に体験もできるという点。たとえば、足湯で湯田温泉を楽しむこともできるし、施設内併設のカフェでローカルグルメやスイーツ、地酒を味わうこともできる。県内の魅力を体験しながら、旅のプランをじっくり練ることができる施設なのである。
屋内外の3カ所で足湯を楽しむ
施設の入館料は無料で、200円(小中学生は100円)の利用料で足湯につかることができる。足湯を楽しめるエリアは施設内に3カ所あり、それぞれ趣の異なるロケーションなので、気分に合わせて選んでみたい。
館内入り口の正面にある「窓辺の湯」は、併設のカフェ内に位置している。中庭に面した大きな窓の前で、飲み物やスイーツを味わいながら気軽に足を温められる。
建物の奥に設けられた中庭には、桜や紅葉など四季折々の風景の中で足湯を楽しめる「四季の湯」も。こちらの足湯は屋外のため、風や日の光を感じながら温まれるのが魅力だ。夜間にはライトアップも行われる。
中庭を進むと現れる小屋も足湯施設だ。ここ「言音(ことね)の湯」は、湯田温泉出身の詩人・中原中也の詩をテーマにした音楽が流れる癒やしの空間となっている。
スイーツに地酒飲み比べも!
カフェでは、湯田温泉の名物を使ったメニューや、同温泉のシンボルでもあるキツネをモチーフにしたメニューを用意。キツネをかたどった「狐のカフェラテ」(400円)や「白狐アイス」(300円)のほか、山口県産の牛乳を使った「バナナミルク」(500円)、「山口外郎(ういろう)パフェ」(650円)など、ドリンクやスイーツを中心にそろえる。
また、カフェではメニューを注文した人に山口県名物の蒸し菓子「外郎(ういろう)」の無料試食を用意している。「菓舗たまや」「本多屋」「松田松栄堂」「御堀堂」の4銘柄からランダムの提供となり、どの外郎も「狐の足あと」から徒歩3分以内の店舗で購入できるので、気に入ればおみやげの候補に。
日本酒がいける方にはぜひ、「山口地酒利き酒セット」(各500円)も試していただきたい。おちょこ1杯の日本酒3銘柄がセットになっており、香りや味わいの微妙な違いを楽しめる。
「利き酒セット」のバリエーションは、山口県の名所・錦帯橋に由縁がある銘柄を集めた「錦帯橋セット」("雁木"・"五橋"・"日下無双")や、すっきりした味わいの3銘柄をセレクトした「サラッと淡麗セット」("獺祭"・"長門峡"・"八千代")など6種類。全18銘柄の地酒をそろえており、単品(200円)での提供も可能となっている。
足湯につかりながら、山口名物「外郎」をつまみつつ地酒に親しむ……という贅沢なひとときも400円~とリーズナブルに過ごせる「狐の足あと」。同施設の近隣には、「獺祭」をはじめ地酒を幅広くそろえる酒店「原田酒舗」や、中原中也の詩業や生涯を展示する「中原中也記念館」もある。その名の通りの"観光拠点"として、湯田温泉を訪れた時はまず立ち寄りたい施設だ。なお、「狐の足あと」は年中無休。営業時間は8:00~22:00となる。
※価格は全て税込
取材協力: 山口県東京売り込みセンター