カシオ計算機は17日、ダーモスコピー検査を学べる医師向けクラウドサービス「CMDS」において、千葉大学医学部附属病院の所見付き症例データを初めて収録するなど、コンテンツを拡充した。同時に、診断トレーニング機能も備え、新たに「CeMDS(CASIO e-Medical Data Support)」として、無料サービスを開始している。

CeMDSの診断トレーニング画面例

ダーモスコピー検査とは、皮膚の癌(悪性黒色腫・基底細胞癌・有棘細胞癌など)や、ホクロなどの色素病変を、ダーモスコープと呼ばれる特殊な拡大鏡で観察する検査をいう。カシオでは、病変の構造や血管の分布状況を顕在化させる画像処理技術を、田中勝教授(東京女子医科大学 東医療センター)、佐藤俊次院長(さとう皮膚科)と共同で開発し、CeMDSにフィードバックしている。

今回、外川八英助教(千葉大学大学院医学研究院)、山本洋輔助教(千葉大学医学部附属病院)が協力し、ダーモスコピー検査の撮影画像を所見付きで収録した。収録画像と所見にもとづく設問を日替わり出題する「診断トレーニング」機能と、ダーモスコピー検査の画像についてCeMDSの会員同士で討議する「ディスカッション」機能も備えた。

収録画像は、重要な部分のマーキング表示が可能なほか、病変の構造や血管の分布状況を顕在化させた画像にも変換できる。カシオは、ダーモスコピー検査を学ぶ医師を多角的に支援しつつ、CeMDSの無料サービスでノウハウを蓄積し、将来的には有料サービスの展開を視野に入れている。