日本銀行は17日、2015年7~9月期の資金循環統計(速報)を発表した。それによると、2015年9月末時点の家計が保有する金融資産の残高は前年同月末比1.7%増の1,684兆円となり、20四半期連続で前年を上回った。

日銀の国債保有率、初めて3割超える

前期(6月末)比は34兆円減と、2014年3月末以来、1年半ぶりに減少した。同行は「6月末から9月にかけて株安になった影響による」と分析している。

家計の金融資産残高の内訳をみると、「現金・預金」が前年同月末比1.9%増の887兆円、「保険・年金準備金」が同1.1%増の444兆円、「投資信託」が同5.8%増の91兆円、「株式・出資金」が同0.2%減の163兆円、「債券」が同11.3%減の25兆円などとなった。

部門別の金融資産・負債残高(2015年9月末、兆円)(出典:日本銀行Webサイト)

企業の金融資産残高は同7.7%増の1,087兆円(前期1,123兆円)。内訳は、「現金・預金」が同6.1%増の247兆円と過去最大、「株式・出資金」が同9.4%増の317兆円、「対外直接投資」が同11.4%増の78兆円などとなった。

日本国債の発行残高は同2.7%増の1,040兆円と過去最高。保有者の内訳は、日本銀行が同35.3%増の315億円、構成比30.3%と初めて3割を超え、残高、構成比ともに過去最高を更新した。一方、海外投資家は同16.5%増の102兆円、構成比9.8%と、初めて100兆円を上回り、残高、構成比ともに過去最高となった。