財務省は17日、2015年11月の貿易統計(速報、通関ベース)を発表した。それによると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は3,797億円の赤字となった。赤字は2カ月ぶり。同省は「輸出額では自動車等が増加の一方、鉄鋼や有機化合物の減少があった。輸入額では原粗油や液化天然ガスの減少があったが、結果的に赤字となった」と説明している。

2015年11月貿易統計(速報)(出典:財務省Webサイト)

対EUは過去最大の赤字

輸出額は前年同月比3.3%減の5兆9,814億円と、2カ月連続の減少。品目別では、自動車が同19.0%増、鉄鋼が同18.4%減、有機化合物が同22.2%減、鉱物性燃料が同31.8%減などとなった。

輸入額は同10.2%減の6兆3,611億円と、11カ月連続の減少。品目別では、医薬品が同100.1%増、原粗油が同40.9%減、液化天然ガスが同30.4%減などとなった。

地域別にみると、対米国は、輸出額が同2.0%増の1兆2,329億円、輸入額が同6.1%増の6,631億円で、5,698億円の黒字。黒字額は同2.3%減と15カ月ぶりに減少した。輸出品目では、自動車が同24.9%増、建設用・鉱山用機械が同38.1%減など。輸入品目では、原動機が同56.0%増、穀物類が同31.9%減などとなった。

対EUは、輸出額が同9.5%増の6,476億円、輸入額が同21.0%増の8,258億円で、1,781億円の赤字。輸入額は過去最大、赤字額も同96.2%増加し、過去最大を更新した。輸出品目では、自動車が同45.5%増、自動車の部分品が同25.2%増など。輸入品目では、医薬品が同156.5%増、有機化合物が同16.7%増などとなった。

対アジアの輸出が低迷

対アジアは、輸出額が同8.7%減の3兆1,316億円、輸入額が同7.9%減の3兆1,210億円で、106億円の黒字。2カ月連続の黒字となったものの、黒字額は同73.6%減少した。輸出品目では、鉄鋼が同22.9%減、有機化合物が同28.6%減など。輸入品目では、通信費が同32.4%減、液化天然ガスが同47.4%減などとなった。

対中国は、輸出額が同8.1%減の1兆576億円、輸入額が同5.8%減の1兆6,490億円で、5,914億円の赤字。赤字は45カ月連続で、赤字額は同1.2%減少した。輸出品目では、有機化合物が同33.5%減、半導体等電子部品が同12.1%減など。輸入品目では、通信機が同31.1%減、半導体等電子部品が同18.8%減などとなった。