関東運輸局は12月16日、2015年の振り返りとして、同局職員の投票等によって選ばれた10大ニュースを発表。大雨などによる自然災害、事故など安全・安心に係るニュースのほか、 羽田空港への深夜早朝アクセスバスの運行拡充や上野東京ラインの開業なども選ばれた。

4月1日~2016年3月31日までの深夜早朝バス運行概要(バスの運行路線や運行時間は、利用状況等を踏まえ適宜見直しを行う)

新設や拡充などに関しては3月14日、JRのダイヤ改正と同時に「上野東京ライン」が開業し、並行する山手線や京浜東北線の混雑率が緩和され、直通輸送体系の整備により都心をまたいで中距離電車を利用する際の所要時間が短縮されることとなった。また、羽田空港のアクセスバスに関しては、深夜早朝時間帯の利用促進に向けて2014年試験運行を継続するとともに、運行路線の拡大や増便など運行の拡充が図られている。

自然災害に関しては、5月6日に箱根山の噴火警戒レベルが1(平常)から2(火口周辺規制)に引き上げられ、大涌谷を中心とした火口周辺への立ち入りが禁止された。さらに6月30日には噴火警戒レベル3(入山規制)へ引き上げたが、11月20日には噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)に引き下げられている。現状、火山ガスの影響により大涌谷周辺の立ち入り規制は継続しており、箱根ロープウェイの一部運休のほか、路線バスの一部区間変更での運行が続いている。

また自然災害として、9月7日発生した台風18号および台風から変わった低気圧の影響により、9月7日~11日にかけて栃木県日光市五十里で最大24時間降水量551mmを記録するなど、宮城県、栃木県を中心に観測史上1位の降水量を記録した。これにより、土砂災害・浸水・河川のはん濫等が発生し、死者8人のほか住家被害が生じた。中でも鬼怒川の茨城県常総市に位置する堤防が決壊したことにより、同市を走る関東鉄道常総線では様々な鉄道施設が浸水するなどの甚大な被害を受けたが、常総線は10月10日より全線運転再開となった。

そのほか、3月に大規模災害時における多様な輸送モードの活用による支援物資物流システムの構築、4月に関東観光広域連携キャンペーンがスタート、7月に関東運輸局に「交通政策部」及び「観光部」が誕生、7月に「がんばる地域応援プロジェクト」の始動、7月にフェリー「さんふらわあだいせつ」の火災事故対応、10月に関東運輸局管内の免税店が1万店を突破、などが挙がっている。