米Bloombergによれば、米Appleは台湾の桃園市龍潭区に秘密のラボを設置して、新しいディスプレイ技術の開発を進めているという。ここには現在エンジニアを含めて50名の従業員が在籍しており、台湾AUOや米Qualcommからディスプレイ技術者を引き抜くなど、現在もリクルーティング活動を続けているようだ。

報道によれば、この龍潭区の施設は龍潭科学園区の一角に存在しており、以前はQualcommが「Mirasol」の開発を行っていた場所に今年2015年4月以降に移転してきたのだという。施設の外見や従業員からはAppleの関連を示唆する情報は出てこないが、もともと台北市内にあった同国のApple事業所で登録されていた住所が、桃園市龍潭区へと移転されており、実質的に台湾のApple研究開発拠点として機能しているようだ。

現在、Qualcommはディスプレイパネル自体の供給をAppleには行っていないが、前述のAUOは以前の世代のiPhoneではディスプレイパネルのメインサプライヤーの1社であり、現在噂に上っている「iPhone 6c」こと4インチiPhoneのパネル供給事業者になるのではとみられている。一方でAppleは有機EL (OLED)技術のiPhoneへの採用にも興味を示しているといわれるが、それと同時に現在利用しているTFT-LCD技術を使ってさらに薄く視認性の高いディスプレイの研究開発を進めており、その製造技術確立に向けた先端研究の場としてこの台湾の施設が機能しているのかもしれない。