マンダムはこのほど、男性の頭皮を対象とした研究の結果を明らかにした。頭皮は皮膚感覚が物理刺激を加えることによってさらに鈍くなる傾向があることと、頭皮にも肌と同様にキメが存在することがわかったという。
同研究は、医療法人社団Xanadu あやこいとうクリニックの院長・伊藤史子医師と共同で行ったもの。先の研究では、頭皮は顔面の肌と比較して「角層水分量が少ない」「経表皮水分蒸散量(TEWL値)が高い(=バリアー機能が低い)」「皮脂量が多い」「熱や痛みなどの刺激に対する皮膚感覚が鈍い」ということがわかっている。
今回の研究でも、日本人男性の頭皮は角層水分量は顔面の肌と比べて少ないことが確認できた。バリアー機能が低いことにより、肌荒れしやすい状態であると考えられる。
頭皮は腕の肌と比べると温閾値(いきち)が高く、温度変化に鈍感であることもわかっている。今回、腕と頭皮の温閾値と摩擦による変化を調べたところ、腕は3分間の摩擦処理を行うと、温閾値がさらに上昇することが明らかとなった。しかし頭皮は摩擦処理する前から腕よりも温閾値が高く、有意差はないものの、腕と同様に温閾値は上昇する傾向が見られた。
このことから、頭皮はもともと温度変化に鈍感なうえ、強い力でかくなどの行為によってさらに鈍感になるため、ダメージを受けても気づかない可能性が考えられるとのこと。
また、頭皮にも顔面の肌と同様にキメが存在し、加齢に伴ってそのキメが不明瞭になることも発見した。キメスコアを見ると、20歳代に比べて30~50歳代は、数値が半分以下になっていることがわかる。
続いて「薄毛群」と「薄毛ではない群」の頭皮の硬さについて調べた。「頭頂部の毛径と後頭部の毛径の比」を薄毛の指標として、30~40代の被験者を薄毛群と薄毛でない群に分けて解析。すると、薄毛群の頭皮は同じ年代の薄毛でない群と比較して硬いことや、皮脂量が多いことが確認できた。