X12 LTEモデムのデモは、ビデオによる紹介のみだった。LTE Cat.12で下り600Mbps、Cat.13で上り150Mbpsまで対応できる。プロトタイプによる実験では、3つのキャリアアグリゲーションによって590Mbpsを達成。下り速度は140Mbps以上で、こちらは2CAによって実現している。下り速度の高速化によって4Kビデオのストリーミングなどの大容量データのダウンロードが快適になり、上り速度の高速化ではクラウドストレージへのアップロードや写真・ビデオの共有、ライブ配信、ビデオコールといった用途を想定する。
X12はさらに無線LANとLTEを連携させる「LTE-U」もサポート。このLTE-U自体は、米国で通常の無線LAN通信に支障が出ることを懸念する声もある。その声に応えるかのようなデモビデオでは、無線LANでファイル転送をしているところに、同時に別の無線LANで通信を行うと、環礁によって最初の無線LANの転送速度が低下する。そこで2番目の無線LAN通信を止めて、LTE-Uによる無線LAN通信を行うと、無線LANの時よりも速度の落ち込みは少なかった。
もう1点が「TruSignal Antenna Boost」。セルエッジなど電波環境の良くない場所でのアンテナ感度を向上させることで音声品質などが改善できるとしている。端末のアンテナはその設計によって、端末の色々な場所に配置される。どのような位置にあっても、電波が安定しなくても一定のアンテナ感度を実現しようというもの。Snapdragon 820そのものではなく、その先にあるRFユニットとSnapdragonが連携する形で実現する。
受信感度が上がるため、安定してバッテリ消費が減ったり、音声通話品質が向上したりのメリットがあり、今回のSnapdragon 820からサポートされるようになった機能だという。
サウンド関連では、デバイスのスピーカーだけでバーチャルサラウンドを実現する機能をデモ。また、新しいスピーカーアンプのWSA8815は、小さくてもパワフルな音を実現するためのアンプで、低消費電力で高音質、そしてリアルタイムの音量制御によってスピーカーの保護もできるという。