ドイツのポルシェAGはこのほど、同社の人気モデル「ボクスター」「ケイマン」の名称をそれぞれ変更し、「718 ボクスター」「718 ケイマン」とすることを発表した。新たに4気筒エンジンを搭載することにともなう変更となる。
「718」という名称は、往年の名車である「718」に由来する。「718」は伝説となっている「550 スパイダー」の後継モデルで、4気筒水平対向エンジンを搭載した最上位モデルとして登場した。1960年のセブリング12時間レースでも、1958年から1961年まで開催されたヨーロピアン・ヒル・クライム・チャンピオンシップでも、「718」は4気筒水平対向エンジンにより無数のライバルを退けている。シチリア島で開催された伝説的なレースであるタルガフローリオでは、1959年から1960年の間に3回の優勝を果たした。
4気筒エンジンは現代でも活躍しており、ル・マン24時間レースで1-2フィニッシュを飾った「919 ハイブリッド LMP1 レースカー」も2リットル4気筒ターボエンジンが搭載されている。
新たに「718 ボクスター」「718 ケイマン」に改名した両モデルは、今後は外観的にも技術的にもさらに共通点が増え、両モデルともにターボチャージャー付きの4気筒水平対向エンジンが搭載される予定。将来的には「911」同様、ロードスターである「ボクスター」が、クーペの「ケイマン」より上の価格帯に位置付けされる。この新しい名称は2016年モデルから導入される。