トヨタ自動車は9日、新型「プリウス」発表会を都内で実施した。同車はクルマづくりの構造改革「Toyota New Global Architecture(TNGA)」の第1号車として投入され、「E」グレードにおいてJC08モード走行燃費40.8km/リットルを実現した。
新型「プリウス」は2WDの「E」「S」「A」「A プレミアム」に加え、同車初の四輪駆動となるE-Four(電気式四輪駆動方式)の「S」「A」「A プレミアム」も用意。「E」を除く各グレードに"ツーリングセレクション"が設定される。「E」グレードの40.8km/リットルはハイブリッド車として世界トップレベルの低燃費に。その他の2WD車も37.2km/リットル、E-Four車も34.0km/リットルの低燃費を実現している。
発表会にはトヨタ自動車取締役副社長の加藤光久氏、同社製品企画本部チーフエンジニアの豊島浩二氏が登壇。「本日正式に発表します。環境車として世界をリードする『プリウス』に期待される燃費ですが、このたびJC08モード走行燃費40.8km/リットルの世界最高値を達成しました。世界の環境車に大きな影響を与え、ひとつの指標となるのではないかと思います」との豊島氏の言葉に、会場から拍手が起こった。
豊島氏によれば、新型「プリウス」で「かっこいい」「走りがいい」「燃費がいい」「装備がいい」の4つの"FUN"を届けたいとのこと。「快適で気持ちいい走りを実現する低重心ボディを作り上げるため、フロントエンド先端は70mm低く、全高は20mm低く、リアエンドは55mm低い精悍なフォルムとなります。ルーフトップのピークを170mm前に移動させるなど、空力デザインも徹底追求しました。居住空間・トランクルームは従来型をしのぐ広さのパッケージを実現しています」と説明した。
走りについても触れ、「クルマに乗ったとき、室内がシーンとして静か。走り始めと止まる直前、スーと走りスーと止まる。市街地での加減速がなめらか。ワインディングが軽やか。高速道路でも安心。この5つが開発キーワードでした」と豊島氏。新型「プリウス」では、個々の性能だけでなく、ドライバーの感性も大切にし、「走りが楽しい」「ずっと乗っていたい」と思えるようなクルマをめざして開発したとのことだった。
加藤氏は新型「プリウス」で初採用となる「TNGA」について、「基本性能や商品力を向上させた上で、賢く共用化を図り、効率化で浮いた元手を『もっといいクルマづくり』に再投資していきます」と説明。これにより、主要部品の見直しや独自の接合技術に加え、サウンドへのこだわりなど、感性を重視した開発も可能になったという。「"FUN TO DRIVE"を感じられる、あらゆる技術を投入しました。『TNGA』の取組みをすべてのクルマに広げ、『もっといいクルマ』を順次出したいと考えています」と述べた。
新型「プリウス」は9日から全国のトヨタ店・トヨペット店・トヨタカローラ店・ネッツ店を通じて販売開始。価格は「E」グレードが242万9,018円、2WDの「S」「A」「A プレミアム」("ツーリングセレクション"も含む)が247万9,091~319万9,745円、E-Fourの「S」「A」「A プレミアム」("ツーリングセレクション"も含む)が267万3,491~339万4,145円(価格はすべて税込)。月販目標台数は1万2,000台とされている。