筆者は「Continuum for Phoneに対応するデバイスが本命」という視点でWindows 10 Mobile搭載デバイス(以下、Windows Phone)を論じてきたが、ここに来てMicrosoftのLumia 950以外の有力な購入候補が現れた。それは11月30日に発表され、Continuum for Phoneに暫定対応する「NuAns NEO」だ。

トリニティの「NuAns NEO」

筆者はMicrosoftのLumia 950を本命と捉えていたが、現時点では国内で正規に購入できない。総務省の技適マークが付与されていないため、国内で使用すると電波法違反になる恐れもある。そこで、あらためて国内で購入できるコンシューマー向けWindows Phoneデバイスの一覧をまとめてみた(2015年12月4日時点)。

国内向けWindows Phoneの主なスペック。Lumia 950は比較用として参考に

こうして並べてみると、Snapdragon 617を搭載するなどNuAns NEOのスペックの高さが目立つ。トリニティ代表取締役の星川哲視氏は「ライフスタイルに浸透するスマートフォンを目指した」とNuAns NEOが単なるガジェットではないと説明している。また、冒頭で述べたように暫定対応としながらもContinuum for Phoneが使える点も興味深い。

NuAns NEOでContinuum for Phone環境を構築するには、MiracastデバイスとBluetooth対応キーボードおよびマウスを所持すればよいはずだ。日本マイクロソフトは「Wireless Display Adapter」がContinuum for Phoneのハードウェア要件であるWindows 10 Miracast extensionsに対応していると説明しているので、後日実機検証を行った上でレポートを寄稿したい。

日本マイクロソフトの「Wireless Display Adapter」。Windows 10 Miracast extensionsに対応しているという

筆者はこれまでMADOSMA Q501(Windows Phone 8.1搭載モデル)やKATANA 01、NuAns NEOに触れてきたが、やはりSnapdragon 210では僅かな遅延を感じる場面があった。Windows 10 Mobileの可能性は、オフィスや自宅のWindows 10搭載PCと連携してのシームレスなワークスタイルにあるが、現時点ではMDM(Mobile Device Management)などエンタープライズ環境が整っておらず、その利便性を享受できるとは言い難い。その意味ではお試し価格のKATANA 01や一定のスペックを備えるMADOSMA Q501Aの存在も魅力的だ。

プラスワン・マーケティングの「KATANA 01」

マウスコンピューターの「MADOSMA Q501A」

このように求める用途によって、ベストなデバイスが異なるのはWindows Phoneでも同じだ。この他にもサードウェーブデジノスの「Diginnos Mobile DG-W10M」や、Acerの「Jade Primo」、VAIOのWindows Phoneなどが控えている。筆者はまだ検討を重ねているが、Windows Phone購入予定の読者には納得できるデバイスを選んでいただきたい。後はiOSやAndroidと同じだけのアプリケーション環境が整うのを願うばかりだ。

阿久津良和(Cactus)