南北の島からなるニュージーランドは、各街によって味わいも遊び方も様々。よりダイナミックな大自然を味わいたいなら、南島にも足を運んでおきたいところだろう。そこで、「初めてのニュージーランドで観光するならどの街がオススメ? 」とニュージーランドの人に質問したところ、「クィーンズタウンがいいんじゃないかな」とのことだった。そんなクィーンズタウンはどんな街なのだろうか。
空港からすでにダイナミックな景色が広がる
クィーンズタウンに訪れると、まず空港州域の景色に驚くはず。雄大なリマーカブルズ山脈に囲まれた中に空港があり、飛行機を降りするとすぐ目の前に山々がそびえたつ。そのため天気が変わりやすいようだが、雨が降ってもすぐにまたからっと晴れる。ニュージーランドの中ではリゾート地として知られており、特に冬はスキーやスノーボードのために訪れる人も多いようだ。
もちろん、ウインタースポーツだけではない。ハイキングやサイクリング、スカイダイビング、ニュージーランド発祥のジェットボード、そして、観光アクティビティとしてはクィーンズタウン発祥のバンジージャンプなど、豊かな自然を満喫できる遊びがいろいろ楽しめる。「女王様にふさわしい街」というところから命名されたという名前の通り、ニュージーランドの魅力を肌に感じられる街と言えるだろう。
街の中心地へは空港からクルマで約15分。ワカティプ湖に面しているため、中心地からクルマで移動することなくジェットボードや遊覧船等を楽しむこともできる。比較的コンパクトな街なので、1時間くらいあればぐるっと街歩きができる。
街にはビーチストリートやショットオーバーストリートなどの大通りを中心に、土産ショップやレストラン、カフェ、バーなどが連なっており、夜遅くまでにぎやかだ。そうした大通りの間にはちょっとした裏路地もあり、ひっそりと味のあるお店を探す楽しみもある。レストランはラム肉やクレイフィッシュ(イセエビ)のようなローカルグルメのほか、イタリアンやインド料理、日本食などを提供するところもあるので、その時の気分でいろんな料理を試してみるといいだろう。
ファーグバーガーの系列店も人気のお店
特に地元の人からも「クィーンズタウンに来たなら食べた方がいい」と太鼓判を押してもらったのが、ショットオーバーストリートに面した2000年創業のハンバーガーショップ「ファーグバーガー」だ。各国のメディアから「世界のおいしいハンバーガーショップ」として名を挙げられることもあり、ボリュームはもちろん、パテやバンズ、ソースもその日に作ったものを提供する"新鮮さ"がウリとなっている。
世界中から観光客が訪れる行列の絶えないにお店で、多い時には1時間半~2時間近く待つこともあるという。東京などでは行列になるのはざらにあるものの、ニュージーランドではなかなか街中で行列を目にすることはない。とは言え、地元の人に聞いたところ、電話してから受け取りに行けばすぐ食べられるとのことなので、滞在しているホテルからお願いすれば、ひょっとしたら並ぶことなく食べられるかもしれない。
このファーグバーガーの隣にはベーカリショップ「ファーグベーカリー」とジェラートショップ「ミセスファーグ」が並んでいるが、名前の通り系列店となっている。その中でも街歩きのおともにぴったりなのが、ファーグベーカリーの「ポーク&ベリーパイ」(6.9NZドル=約550円)。
ニュージーランドではパイは国民食と言ってもいいくらい日常的に食べられているグルメで、そのお店によって味は様々なのだが、共通していることは大きいこと。例にもれずポーク&ベリーパイもボリューム満点でずっしりと重い。中を割ってみると、とろっとしたポークをしっかり詰まっていた。角煮と見間違えてしまうほどとろっとやわらかく、ベリーの酸味がちょうどいい。厚いパイ生地もサクサクなので、購入したらできるだけ温かい内にすぐ食べてていただきたい。
シングルでも満足なジェラートはコーンがオススメ
ちょっとしたおなかの隙間をうめるには、やっぱり甘いものも食べたいもの。そんな時は、チョコレート&ジェラートショップ「パタゴニア」に行ってみよう。お店はワカティプ湖畔に面したところにあり、訪れた時は閉店1時間前の21時頃だったのだが、それでもお店の前には行列ができていた。そんなみんなのお目当てはジェラートである。
同店の1番人気ジェラートは「パタゴニアチョコレート&マカダミアナッツ」。売り切れになることもあるようで、筆者はタッチの差で食べることができた。ジェラートはどの味も価格は一緒で、カップはシングルで5NZドル(約400円)、コーンはシングルで6NZドル(約480円)。なお、パタゴニアはクィーンズタウン空港にも出店しているが、空港店にはこのパタゴニアチョコレート&マカダミアナッツはないようだった。
チョコレートはかなり濃厚なので、マカダミアナッツとコーンが組み合わせ的にもぴったりなように思われた。歯ごたえのあるコーンには、底にビターチョコレートが詰まっているのもうれしいところ。写真ではなかなか伝わらないかもしれないが、シングルでも日本で見かけるジェラートのダブル級にこんもり盛ってくれる。そのため、食後にちょっと食べたいという時はシングルをオススメしたい。
観光の拠点が街中のいたるところに
クィーンズタウンには飲食店の他にも、カジノ(20歳未満入場不可)やニュージーランドが舞台となった映画『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』をコンセプトにした「ロード・オブ・ザ・リング ショップ」、クィーンズタウンを拠点にしたアクティビティ等を紹介してくれるツアーデスクなどもある。なお、「Qbook」は日本人が経営するツアーデスクで、アクティビティの予約や街歩きの相談にも対応してくれる。
特に筆者が訪れた11月後半は、ニュージーランドの季節的に夏休み&クリスマスに向けて地元の人たちもワクワクしているころ。21時になっても外は明るいので、つい夜更かしをしてしまったというのもしょうがないかもしれない。ニュージーランドは治安の問題も少ないものの、楽しく無理のない旅を楽しんでいただきたい。
※1NZドル=80.2円で換算。記事中の情報は2015年11月取材時のもの