iOSに標準装備のアプリ『メモ』は、iOS 9で大きく変わった。手書き対応のペンや定規ツールが用意されたイラスト機能のほか、チェックリスト作成機能、写真や地図など添付要素を一覧する機能が追加され、デジタル雑記帳的な存在へと進化を遂げている。HandoffでMacとの連携も容易なため、以前のiOSより利用頻度が増えたというユーザも多いことだろう。

しかし、ひとつわかりにくい点がある。作成したメモの保存場所を、クラウド(iCloud)とローカル(iPhone/iPad)とで選択できることだ。最初に保存場所を選択しておくと、作成された文書はそこへ保存されるしくみだが、メモを作成するときは保存場所を意識する余裕などないことが多く、結果としてメモが行方不明になりがちなのだ。

たとえば、保存場所にローカルを指定しているときに作成したメモを、同じApple IDでサインインしているiPadで開こうと思ったとき、『メモ』を起動しても表示されないという事態が発生する。保存場所をにiCloudを指定していれば、このようなことは起こらないはずだ。ここまで通信環境が整備されたいま、迷わずにすむぶん保存場所をiCloudに決め打ちしたほうがかえって好都合だろう。

上述のような混乱の原因は、iOS 9版『メモ』の初期設定でクラウドとローカルの両方が有効になっていることにある。クラウドを無効化する場合、iCloudにサインインしなければいいだけのことなので設定項目はないが、『設定』には『メモ』でローカルへの保存を無効化するスイッチが用意されている。これを無効化すると、以降『メモ』で作成するメモはすべてiCloudに保存されるため、あのメモはどこへ行った? ということもなくなるはずだ。

操作手順をカンタン解説

1 初期設定では、作成したメモをクラウド(iCloud)とローカル(iPhone/iPad)のどちらかに保存する設定となっているため、他の端末で開けず困ることがある

2 メモの保存場所をクラウドに一本化するため、『設定』→「メモ」の順にタップする

3 初期設定では「"iPhone"(iPad)用アカウント」スイッチが有効なため、これを左方向へスライドして無効化する

4 iPhone(iPad)上に保存されているメモがある場合、それを削除しなければスイッチをオフにできないので注意しよう

(提供:iPad iPhone Wire)