説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『指紋認証のメリットがイマイチわかりません……』という質問に答えます。
***
iPhone 5sで登場した指紋認証機能「Touch ID」。iPhone 5cをのぞく以降のiPhoneすべてに装備され、ロック解除やApp Store/iTunes Storeの決済確認に利用されています。指紋という確実に本人確認できるIDで認証できるうえ、ホームボタン部分に指を重ねれば一瞬で処理が完了しますから、安全性と快適性両方の観点から活用すべき認証技術といえるでしょう。
このTouch IDを無効にしたままの人をときどき見かけます。理由をたずねると、「認証がうまくいかずイライラするときがある」とのこと。確かに、Touch IDの認証精度はパーフェクトとはいえず、やり直しさせられることもたびたびです。指先が濡れているときもアウトなど、コンディションにも大きく左右されますから、4桁のパスコードのほうがいいという主張にも一理あります。
ただし、それを上回るメリットがあります。指紋は一意性が高く偽造が困難ですから、安全性という観点では4桁のパスコードと比ぶべくもありません。iPhone 6s/6s Plusではセンサーの性能が向上し、指を重ねてから認証が完了するまでの時間がより短くなりました。ロック画面を一瞬で解除できることは、TouchIDの大きなメリットです。
サードパーティーアプリでもTouch IDのメリットは大です。たとえば、株式の売買を行うアプリでサービスにログインしているとき、しばらく放置してロック状態になったとします。パスコードではロック解除に時間がかかりますが、そのアプリがTouch IDに対応していれば一瞬でロック解除し、売買画面に復帰できます。金銭を扱うアプリですから、指紋認証で保護されることの安心感もあります。