経済協力開発機構(以下、OECD)は3日、年次レポート最新版「税収統計2015年版(Revenue Statistics 2015)」を発表した。それによると、経済危機以降、OECD加盟国全体で法人税収が減少している一方で、個人納税者への負担がより高まっていることがわかった。
OECD税制センター長、「公平に支払わせる取り組みを」
同レポートによると、OECD加盟国における法人税収は2007年~2014年の間に3.6%から2.8%に減少。他方、個人所得税収は8.8%から8.9%に、VAT(付加価値税)税収は6.5%から6.8%に上昇した。
2014年のGDPに占める税収の割合は平均34.4%と、危機前の2007年(34.1%)より0.3ポイント高く、過去最高だった2000年の34.2%を上回った。詳細をみると、同時期(2007年~2014年)におけるGDPに占める法人税収は減少した一方、社会保障税収は8.5%から9.2%に増加したことで法人税収減少分を相殺している。
パスカル・サンタマンOECD税制センター長は「法人納税者は引き続き納税額を少なくあげようと方法を模索している(中略)。経済危機以降見られる税収増加分のほとんどは個人の負担からきており、社会保障、VAT、個人所得税などが占めている。このような状況であるため、法人納税者に自らの分を公平に支払わせることを確実にする取り組みが至急求められている」と述べている。