ニュージーランドには、連なる山々にグリーンに輝く湖、そしてゆったりと草をはむ羊たちなど、どこを切り取っても絵になる風景が広がっている。そんな風景を眺めていると、特に日本人なら「こんな風景に囲まれた露天風呂があれば最高だろうな」などと夢見る人もいるのでは? 大丈夫! そんな夢を貸切風呂でかなえてくれる場所がクィーンズタウンにはあるのだ。今回、ニュージーランド政府観光局主催のプレスツアーで体験してみた。
お酒を飲みながらのプランも
クィーンズタウンは南北の島からなるニュージーランドの南島に位置しており、リマーカブルズ山脈やワカティプ湖などの恵みを存分に楽しめる様々なアクティビティの拠点になっている観光都市。そんなダイナミックな大自然の中で、お風呂という癒やしでもてなしてくれるのが「オンセン・ホットプールズ」だ。クィーンズタウンの中心地からクルマで約15分で、無料シャトルバスも用意している。
店名に"オンセン"が入っているものの正確に言うと温泉ではなく、湖からくみ入れた天然の水を温めて提供している。ワイン樽のような形状の大きな貸切風呂は1時間から利用でき、毎回新しいお湯をくみ入れてくれる。ちなみに、無料シャトルバスのナンバープレートには「ONSEN」と書かれているが、ニュージーランドは有料でクルマのナンバープレートを自由に設定することもできる。なかなかラブリーなナンバープレートだ。
料金はひとり1時間46NZドル(約3,690円)~、ふたり1時間88NZドル(約7,060円)~となっており、アルコール+アロマオイルやノンアルコール+アロマオイルがセットになったプランもある。個人的にはアロマオイル(5NZドル=約400円)はぜひおともに。バスタオルの用意がなくても、3NZドル(約250円)でレンタルできるのでご安心を。
壮大な景色を野鳥とともに楽しむ
貸切風呂は完全な露天ではなく、開閉自由なウインドーを備えた半露天タイプ。そばにはシャワーが備え付けられているので、入浴前のかけ湯はこちらでどうぞ。全ての貸切風呂の眼下にはグリーンの湖に春に黄色い花をつけるエニシダ(ブルーム)、目の前には幾重にも連なる山脈という、圧倒的な自然がすぐそこにある。
観光で訪れた人は水着を着るのが一般的だそうだが、特に着用は義務にはなっていない。湯船の樽は深めに作られていることもあり、外からのぞかれる心配は少ないように思われる。どうしても心配ならウインドーを閉めればいいだろうが、正直、閉めてしまうのはあまりにもったいない気がする。
個室そのものは木を生かした作りになっており、樽風の湯船は趣も十分。湯にはジャグジーが備え付けられているので、お好みで楽しんでみるといいだろう。筆者が体験した際、湯はややぬるめになっているが、好みを伝えれば調整も可能とのこと。山の間を抜ける風が吹き込むと、アロマオイルのラベンダーがふわっと香ってくる。そしてこの絶景だ。「ずっとこのままこうしていたい」という気持ちが、ふつふつと湧いてきた。
しばらくするとエンジンの音が聞こえ、眼下の湖にジェットボードが現れた。お風呂から見ていると近くを通っているように見えるのだが、ジェットボードからお風呂を目視するのは難しいだろう。近くでお風呂の方を見上げるとしても、舞い降りてきた野生の鳥くらいである。
入浴後は無料で自由に飲めるコーヒーや紅茶で小休止。また帰りも無料シャトルバスが街の中心地まで送ってくれるので、入浴プランはアルコール付きにしても安心だ。筆者は日中の景色を楽しんだのだが、スタッフのオススメはサンセットの時間だという。これから夏となる12月のニュージーランドは21時過ぎに日没を迎えるので、その時間を狙って絶景風呂を心ゆくまで堪能してみるのも良さそうだ。
※1NZドル=80.2円で換算。記事中の情報は2015年11月取材時のもの
※取材協力: ニュージーランド政府観光局