三井住友銀行と東京工業大学は2日、デザイン思考を活用したサービス向上、及び同手法を活用した金融教育を推進する目的で、産学連携での取組みを開始すると発表した。
デザイン思考を活用した新たなサービスの創出に取組む
IT・ネット社会の進展は、技術的な革新のみならず、価値観やライフスタイルの多様化をもたらしているという。このような現代では、従来にも増して潜在的なニーズを見つけ出し、新たなユーザー体験を生み出すことが重要となっているとしている。
そうした中、近年、デザイン思考は、観察を通じて得られる人々の行動や思考に関する洞察を元に潜在ニーズを掘り起こし、仮説を立案、検証し、改善を重ねながらモノやサービスを創り出す創造的なアプローチとして、製造業のみならずサービス業においても注目を集めているという。
三井住友銀行と東京工業大学は、2004年に「産学連携協力に関する協定書」を締結。このたび、三井住友銀行は、サービスデザインの中心でもある「ヒト」を核とした各種研究を専門とする梅室博行教授(東京工業大学院社会理工学研究科経営工学専攻)と協働し、デザイン思考を活用した新たなサービスの創出に取り組んでいくという。
三井住友銀行によると「このたびの取組みから蓄積される知見を新たなサービスの創出に活用することに加え、東京工業大学を始めとする様々な大学において、デザイン思考を取り入れたアクティブラーニング形式の講義提供を検討している」という。お金に関するテーマを中心に、学生自身がユーザーの視点に立ち、主体的に課題解決に取り組む体験をすることで、より実践的な思考力の養成や、金融に対する関心を深める啓発活動を推進していく予定。
三井住友銀行は、今後もオープンイノベーションのコンセプトに基づき、大学等学術機関を含む外部組織との連携を通じ、サービス向上を図っていくとしている。