北海道の空の玄関口といえば新千歳空港。全国各地から北海道へは飛行機のアクセスが一般的で、路線数も多い。レガシーキャリアはもちろん、LCC(低コスト航空会社)も多く乗り入れているのもうれしいところ。そんな北の大地を楽しむのに、レンタカーは魅力的な相棒だ。今回は新千歳でお得にレンタカーを借りる方法を紹介しよう。
各社を一覧表示してくれる「旅プラザレンタカー」
そもそも、リーズナブルな旅を求める旅行者からすると、「レンタカーは高い」と思う人いるだろう。たしかに、ひとり旅でレンタカーはぜいたくかもしれないが、2~3人などと同行者がいれば選択必至とも言える。レンタカー会社は全国チェーン店のほか、立地などやサービスでコストを下げたような低価格の会社も人気だ。
空港のレンタカーカウンターにも各社の看板が並んでいる。とはいえ、空港に到着してからウォークインで借り受けるケースはまれであろう。やはりホテルと同様、レンタカーも事前予約が基本である。
レンタカーヘビーユーザーでもある筆者が頻繁に利用するサイトが、日本旅行で運営されている「旅プラザレンタカー」である。会員登録さえ済ませれば、出発地・出発店舗、返却地・返却店舗を指定の上、格安会社も含め安い順に一覧で表示される。空港一覧が表示されるのも便利だ。詳細な条件設定が可能なのも使いやすい。
北海道は格安レンタカー会社が多い
多くのレンタカー会社がある新千歳空港周辺には全国的な有名チェーンが多いが、格安店もまた豊富である。「ホンダレンタリース北海道」や「ウイングレンタカー」、チェーン系の「ワンズレンタカー」など、閑散期であれば24時間2,500円といった料金も散見される。
基本的に空港での車両受け渡しは禁止されているので、一般店・格安店に関わらず、空港からレンタカー会社まで送迎というのは新千歳空港でも同様。もちろん無料送迎だ。空港内に店舗があればカウンターで迎えてくれるスタッフを前にして、予約の確認や手続きができるので安心感は高い。
一方、格安店は空港内に店舗を持たないので、到着したらレンタカー会社へ直接電話をして迎車の依頼をするケースが多い。空港の広い車寄せで送迎車に乗車するポジションなど、運転に慣れていないと多少の不安感はあるだろう。
駐車場の送迎バスを利用できる格安店も
空港内に店舗を持たない格安店は、レンタカー会社へ直接電話をして迎車の依頼をするケースが多いと前述したが、新千歳空港での例外が「ホンダレンタリース」だ。店舗が一般駐車場の敷地内に位置しており、空港と駐車場を循環するバスを利用する。
送車依頼の電話をする手間がないほか、事前に到着便を伝えておけば、到着出口に予約者の名前が書かれたボードを掲げるスタッフが立っているので安心感が高い。他社と比較しても最安値のプランを積極的に打ち出す格安店であり、しかも年式が新しい車両が多いのでお得感が高い。
"格安悦楽ホテル"のためにクルマは必須
これからの季節、極寒の北海道ではレンタカーの利用価値がますます高くなる。北海道のレンタカーはもちろんスタッドレスタイヤが装着されているし、除雪用のブラシも乗せられていることが多い。
これは小技だが、ホテルに到着して青空駐車場であれば、ワイパーを立てておくのが基本である。ワイパーに雪の重みがかかるのを防ぐのはもちろん、ゴムが凍結したガラスに着いて動かなくなったり、ゴムが劣化するのを防ぐ意味合いもある。真冬の凍結道路でスピードを出すことはないだろうが、道路状態が良ければついついアクセルを踏みがちな北海道の直線道路。くれぐれもスピードは控えめに安全運転でお願いしたい。
ホテル評論家である筆者がレンタカーを重視するには訳がある。もちろん、特に公共交通機関が発達していない地方へ出向いた時など、徒歩や電車やバスでもアクセスが難しいスポットもストライクゾーンに入るという利点はある。そのほか、旅先でアクセスの悪いゆえに料金が安いイケてるホテルで、"格安悦楽ホテルライフ"を楽しむというのも理由のひとつだ。アクセスが悪いのでもちろんホテル駐車場は「無料」である。
なお多くのレンタカー会社では、料金の支払いは借り受け時の事前クレジットカード決済が基本だ。これは、借り受けの契約に反して無断延長や乗り捨ての上、料金を踏み倒すといったケースの損害を担保するためと、クレジットカードを通しての身元保証という意味合いが強い。ただし一部格安店では、クレジットカード会社への手数料負担の問題から現金決済を指定するケースもあるので事前に確認しておこう。
※記事中の情報は2015年11月取材時のもの
筆者プロフィール: 瀧澤 信秋(たきざわ のぶあき)
ホテル評論家、旅行作家。オールアバウト公式ホテルガイド、ホテル情報専門メディアホテラーズ編集長、日本旅行作家協会正会員。ホテル評論家として宿泊者・利用者の立場から徹底した現場取材によりホテルや旅館を評論し、ホテルや旅に関するエッセイなども多数発表。テレビやラジオへの出演や雑誌などへの寄稿・連載など多数手がけている。2014年は365日365泊、全て異なるホテルを利用するという企画も実践。著書に『365日365ホテル 上』(マガジンハウス)、『ホテルに騙されるな! プロが教える絶対失敗しない選び方』(光文社新書)などがある。
「ホテル評論家 瀧澤信秋 オフィシャルサイト」