整体師のりょうです。腰痛というのは、朝起きたときに「アレっ! なんかおかしい……」なんてことが多いものですよね。前回にご紹介したストレッチを布団の中でやってもしっくりこない…というときは、今回のストレッチを加えてみてください。また、起きている間に重だるくなってきた場合でも、すぐ対処しておけばずいぶん違いがあるものです。

子どもの頃を思い出してみよう

最初にお伝えするのは、子どもの頃に体験した「ゴロンゴロン遊び」です。前後に身体を揺らすこの行為、大人になってからは遊びとしてやらなくなったことと思います。健康のため、大人にもぜひやっていただきたいです。

特に難しいことは何もありません。写真を見ていただければすぐ分かる内容なのですが、問題はあります。それは身体の重い人やおなかが出ている人は、できない可能性があるという点です。また、真っすぐ動かずに横や斜めにそれて物に当たることもあります。子供の頃はとても簡単にできたのですが、大人だと難しいものです。ひとまず広い場所で一度お試しください。

遊ぶ気持ちで軽くゴロンゴロン

私はいつも寝転んで足を上げたところからスタートしますが、上段左から2枚目の「身体を起こして前へ」と説明がある写真から始めていただいても結構です。まず、一連の流れをざっと見ていただきましょう。

足を上げて後ろで手を組みます

身体を起こして前へ

後ろへ倒れます

勢いに任せて

足を胸へ引き寄せます

戻っていく方へ

少し腕に力を入れて

床に足がつかないように止めます

この8枚の動きで1往復しているわけですが、5往復くらいすると腰が少し楽になってくると思います。

写真では両足をそろえて下から手を組んでいますが、膝を抱える方法でもできますし、両手で足の裏を持つ方法もあります。身体の硬さに合わせてご自身のできるようにしていただければよいと思います。勢いよくスピードをつけすぎず、適度な速さでゴロンゴロンと前後に身体を揺らしてください。

実はストレッチ&筋トレの一石二鳥

ただ、フローリングのような硬いところではしないよう、注意してください。背骨を傷めます。布団やじゅうたんなど軟らかい場所でやるよう、お願いします。また、周りに物を置かないようにした方が賢明と思います。

そして、上段左から2枚目または下段右から1枚目の写真を見ていただきたいのですが、前へ転んだときに足が床についてないのがお分かりでしょうか? このようにすることで腹筋の力を要しますので、多少の筋トレも兼ねております。私の得意な「一石二鳥トレーニング」です。さらに床に足をつけないルールをプラスしたら、ゲーム性があっておもしろいですよ!

重力を利用して腰を楽にする

次にもう少し腰を楽にするストレッチをご紹介しましょう。こちらの方がさらに難しいと思いますので、先ほどのゴロンゴロン遊びができなかった人はお控えください。下の写真のように、大きく足を上げて腰に手を当て身体を支えます。足を高く上げている状態では、腰に力が入った状態です。

足を上げて両手で腰を支えます

腰の力を抜くと足が落ちてきます

腰の筋肉の力を抜くと、だらんと足が落ちてくるのです。そのシーンが上下に並んでいるうちの下の写真です。最初は力を抜くことができずに、うまくできないかもしれません。おなかを圧迫されて呼吸が苦しくなる人もいると思いますが、絶対に呼吸を止めないようにしてくださいね。この状態で20秒ほど静止してください。

腰のストレッチは実は難しい

前回にも少し触れましたが、腰の筋肉は大きくて簡単に曲げ伸ばしするのが難しい部位です。側面の方がまだ比較的ストレッチしやすいのですが、今回紹介しました腰に関しては、後ろ全面のストレッチになります。これは身体を丸めることにより、ストレッチできるのですが、身体のかたい人やおなかに肉が付いている人には限度があります。

体のかたさを見るためには、直立した状態から前屈して手が床につくかどうかを見る方法がありますが、その動作をしただけではストレッチにはならないのです。腰の筋肉を伸ばすためには、重力を利用して力を抜くことでしっかりアプローチできます。難しいと思ったら無理せず、最初は誰かに支えてもらって始めるのが安全ですよ。

著者プロフィール

鮎川 良
奈良県の学園前にて「RYO整体院」を営む整体師ランナー。整体師だからこそ分かる身体のメカニズムを基に、ストレッチの重要性を説き、クリニックも開催する。ストイックにタイムを追求するよりも、健康で楽しいマラソンライフを提案。筋肉痛になりにくい身体作りや疲労回復のケア方法、自身が提唱する疲れにくいランニングフォーム「エンジョイラン走法」で、フルマラソン走破を目指す人のサポートをしている。著書に『がんばらないで楽に長く走る』(学研パブリッシング)がある。また、累計300万アクセス超の人気ブログ「整体師に学ぶ~マラソンによる筋肉痛改善方法と、フル完走ノウハウ」も執筆している。