米Googleが10月初旬に発表した「Accelerated Mobile Pages (AMP)」だが、来年2016年初頭にも同技術を用いたコンテンツがGoogleのWeb検索で配信開始されると説明している。AMPは従来のWebコンテンツをモバイル端末向けに高速配信するための仕組みで、表示形態は従来そのままながら、インターネットからの読み込みや表示は半分以下の時間で済むという。

同件は11月24日(米国時間)付けで、AMP ProjectのBlogページで紹介されている。表現のリッチ化やスクリプトの多用で年々重くなるWebページだが、モバイル端末向けのWebニュース記事を中心に素早くコンテンツにアクセスしたいという需要はあり、元の可読性を損なわずにコンテンツの読み込み速度を向上させるべくスタートしたのがGoogleのAMPだ。プロジェクトはオープンソースとしてGitHubで公開されているほか、デモを含む詳細はプロジェクトのトップページで確認できる

その特徴は、ビデオ動画や各種広告などコンテンツ配信者の収益源を損なわずにコンテンツ配信が可能な点で、すでに複数のコンテンツパートナーや広告配信事業者が賛同を表明している。前述のように検索結果の中にコンテンツを出現させたり、あるいはSNSやBlogプラットフォームと組み合わせたりと、今後の応用が期待される。

AMPは発表時からFacebookの「Instant Articles」とよく比較されているが、こちらは前述のようにWebニュースコンテンツを素早くモバイルのFacebookアプリ上で見るための仕組みで、広告配信のほか、SNSの特徴を活かしたコメントや記事共有がセールスポイントになっている。説明によれば、従来方式と比較して最大10倍の読み込みスピードを実現しているという。Instant Articlesは当初それほど注目を集めていなかったものの、現在では配信パートナーも増え、コンテンツ事業者にとって必ずしも無視できない存在となっている。またWall Street Journalによれば、現在シンガポールを拠点にInstant Articlesのアジア展開をFacebookが計画しているということで、遠からずGoogleと並んでコンテンツの新しい配信形態として注目を集めることになるかもしれない。