世界中のグルメが集まる学祭があるのをご存知だろうか。東京外国語大学(東京都府中市)の「外語祭」では、専攻語学の伝統料理を模擬店で提供している。「第93回外語祭」(11月19日~23日開催)で食べられる、各国のグルメの一部を紹介しよう。
スパイスを調合した王道のインドカレー
ヒンディー語専攻「All Is well」では、3種類のカレーを提供。中でも「チキンカレー」(税込400円)は、カルダモン、クミン、ガラムマサラ、チリペッパー、ターメリックなどスパイスを調合している。口の中に広がるスパイスの香りは、インドカレーならではだろう。
スパイシーで香ばしいパキスタンの「シークカバーブ」
パキスタンの国語であるウルドゥー語専攻「しゃりまーる」では、マトンと青唐辛子のつくねを串にさして焼いた「シークカバーブ」(税込380円)を販売している。
アラビア語専攻ではチュニジア料理「ブリック」
鶏肉とねぎと卵を包んだチュニジア料理「ブリック」(税込300円)は、アラビア語専攻「アラビ屋」で用意している。
ラオスのご飯のお供「ラープ」
ラオス語専攻「キンカオレオボー?」で提供しているのは、ご飯のお供になる「ラープ」(税込280円)。ひき肉をハーブとスパイスで炒め、パクチーを混ぜ合わせた。税込70円でご飯を追加できる。
カレー味、チーズ味、塩コショウ味のミャンマー「サモサ」
ミャンマーの公用語であるビルマ語専攻「ダルマもびっくりビルマ語科料理店」には、味付けしたじゃがいもを包んで揚げた「サモサ」(3つ入/税込200円)が登場。「カレー味」「チーズ味」「塩コショウ味」の3種類を用意している。
日本語専攻のちょっと変わった「たい焼き」
ちょっと変わった「たい焼き」(税込200円)を用意しているのは、日本語専攻「じゃぱ庵」だ。普通のたい焼きに飽きた人のため、中にお好み焼きを詰めたとのこと。
黒糖入りの韓国スイーツ「ホトック」
朝鮮語専攻「ultra Seoul」では、おやきのような「ホトック」(税込250円)を販売。中には黒糖が入っているので、やさしい甘さが感じられた。
フィリピンのデザート「トゥロン」はシナモンの香り
フィリピン語専攻「Mabuhay Kitchen」では、「トゥロン」(税込150円)というデザートを取り扱っている。トゥロンは、バナナを春巻きに包んで揚げたもので、バナナの甘さとシナモンの香りが口の中に広がる。人気メニューで、例年、日によっては完売してしまうこともあるという。
トマトやじゃがいもを蒸し煮込んだウズベキスタン料理「ディムラマ」
中央アジア地域専攻「シルクロード~ティムールからの贈り物~」で提供するのは、ウズベキスタンの家庭料理「ディムラマ」(税込300円)。この料理は、じゃがいもと牛肉、トマトなどを蒸し煮込んでいる。
ベトナム料理「フォー」は2種類を用意
ベトナム語専攻「ベトナム料理 ngon!」では、ベトナム料理の代表料理「フォーボー(牛肉入り)」(税込400円)が食べられる。鶏肉入りの「フォーガー」(税込400円)もあり、どちらもパクチーの増量は無料だ。
英語専攻からはオーストラリア産”わに肉"
オーストラリア産の"わに"のフライが入った、「わにのサラダラップ」(税込450円)が英語専攻「Into the Books」に登場する。わに肉は弾力のある肉質で、鶏肉に近い味わいだった。
半熟卵とチーズをのせたフランス「そば粉のガレット」
フランス語専攻「Le Petit prince(星の王子様)」の「そば粉のガレット」(税込420円)は、半熟卵と溶けたチーズがのっており、満足感のある一品だ。
アフリカ地域専攻からは”ダチョウ肉”
アフリカ地域専攻「WENZAKE」では、「ダチョウ」(税別450円)を提供している。しっかりとした歯ごたえで、食感が牛肉に似ていた。素材の味を知ってほしいので、味つけは塩コショウのみとのこと。
ばらジャムが入ったポーランドの揚げドーナツ「ポンチキ」
ポーランド語専攻「UWAGA!」は、中にジャムが詰まった「ポンチキ」を販売。ポンチキはポーランドの揚げドーナツで、「ばらジャム」(税込350円)、「ラズベリージャム」(税込300円)の2種類が用意されている。ばらジャムは、例年昼過ぎには売り切れてしまう人気商品だという。
ドイツ語専攻からは、ビールに合う料理が
ビールとの相性にこだわったドイツ語専攻「おなかがすいたらぐ~tenTag」では、「ブラートカルトッフェルン(ジャーマンポテト)」(税込280円)を試食。ホクホクとしたじゃがいもを塩コショウで炒めたシンプルな味付けだが、ビールが飲みたくなる味だった。
チリパウダーなどのスパイスで味付けられたトルコ「シシケバブ」
トルコ語専攻「Afiyet Olsun」では、鶏肉とピーマンを串に刺して焼いた「シシケバブ」(税込220円)が食べられる。マヨネーズやクミン、チリパウダーなどのスパイスで、しっかりと味が付いていた。
イタリアから輸入した食材を使った「ラザニア」
イタリア語専攻「A Tavola!」で販売しているのは、イタリアから輸入した食材を使った「ラザニア」(税込300円)。じゃがいもと玉ねぎ、ミートソース、ホワイトソースを重ね、チーズをかけて焼き上げてる。
体が温まるロシア料理「ボルシチ」はヨーグルトを添えて
ロシア語専攻「クィシ」の「ボルシチ」(税込350円)は、肌寒くなったときにおすすめ。ビーツの赤で鮮やかに染まったスープに、ヨーグルトを加え、やさしい味に仕上げている。
中国本場の「小籠包」は、肉汁があふれ出す
中国語専攻「熊猫餐庁」の「小籠包(しょうろんぽう)」(税込250円)は、皮を破ると肉汁があふれ出てきた。熱々を食べられるように、出来立てを提供してくれる心遣いがうれしい。
日本人の口に合うように作られたタイ「マッサマンカレー」
タイ語専攻「俺のタイ料理アローイ」の「マッサマンカレー」(税込400円)は、ココナッツミルクを使った本格的なカレー。スパイス感のある辛さは、日本人の口に合うように考えられたとのことだ。
ブラジルの肉汁あふれるジューシーなソーセージ
ブラジルの伝統料理「リングイッサ」(税込300円)は、ポルトガル語専攻「Que Bom」で提供されている。肉厚でジューシーなソーセージで、炭火の香ばしさが楽しめる一品だった。
モンゴルの”羊肉”グルメ
羊肉を詰めた「ボーズ」(税込270円)を提供するのは、モンゴル語専攻「ゴル語13」。羊肉自体に味がついているので、そのまま食べてほしいとのこと。
目玉焼きをのせたマレーシア焼きそば
マレーシア語専攻「Sedapnya!」では、小エビやもやしと炒めた焼きそばに目玉焼きをのせた「ミ・ゴレン」(税込380円)を用意していた。
スペインの本場「タコス」
スペイン語専攻「Aventura de PEPE」では、「タコス」(税込350円)を販売。キャベツやひき肉をトルティーヤで包み、サルサソースをかけている。
西インドの「魚カレー」はサバ缶を使ったドライカレー
西インドのベンガル語専攻「チャカチャカ」では、一風変わった「魚カレー」(税込300円)が登場した。これはサバと野菜をスパイスで炒めたカレーで、ドライカレーのような見た目。サバの風味はスパイスと相性がいいので、現地ではよく食べられているという。
パンをつけて食べるチェコの「グラーシュ」
チェコ語専攻「czech'sキッチン ~ここが私のanother sky~」の「グラーシュ」(税込400円)は、シチューのような見た目だが、チェコ独特の隠し味としてビールが加えられている。
ピリッとした味わいのカンボジア「モアンチャークニャイ」
カンボジア語専攻「にゃむにゃむ」では、「モアンチャークニャイ」(税込200円)を販売。鶏肉ともやし、多めのしょうがを薄味で炒めている。しょうがのピリッとした辛みが口いっぱいに広がる一品。
衛生環境を見直したことで、外語大らしさを残す
開催に至るまでの話を、第93回外語祭実行委員会委員長の堤麻里さん(国際社会学部3年)に聞いた。
同大学では、昨年の外語祭の調理工程について保健所より衛生指導を受けたという。「今年は規模を縮小し、飲食もケータリングで済ませるという話もあったので、大変な年になってしまったなと思いました」と当時の心境を漏らした。
縮小の計画が進んでいく中でも、保健所との話し合いを続けたという外語祭実行委員会。「何度も話し合いを続けた結果、学内の設備を整えたら大丈夫という話になりました。そのためには大学や学生の方々との協力が不可欠です。調理の工程の短縮を考えてもらったり、大学から調理に使える教室を借りたりしたことで、昨年と変わらない規模で行えるようになりました」と話している。
第93回外語祭は、11月23日まで実施。時間は10時~18時(料理店11時~17時30分)。