厚生労働省は19日、2015年「賃金構造基本統計調査(初任給)」の結果を発表した。それによると、大学卒、高校卒の初任給はともに2年連続で増加した。
大卒「建設業」の初任給は4.1%アップ
大学卒の初任給は前年比0.8%増の20万2,000円で、男性は同0.8%増の20万4,500円、女性は同0.8%増の19万8,800円。高校卒の初任給は同1.3%増の16万9,000円で、男性は同1.3%増の16万3,400円、女性は同1.3%増の15万6,200円となった。
企業規模別にみると、大学卒では、男女ともに大企業(常用労働者1,000人以上)、中企業(同100~999人)、小企業(同10~99人)の全ての企業規模で前年を上回った。高校卒では、前年と同額だった小企業の女性を除いて、男女ともに全ての企業規模で前年を上回った。
産業別の伸び率をみると、大学卒では、人手不足が続く「建設業」が同4.1%増の20万9,700円と大幅に伸びたほか、「金融・保険業」が同2.6%増の20万1,200円、「製造業」が同1.6%増の20万2,000円などとなった。高校卒では、「金融業、保険業」が同8.6%増の15万8,400円と伸長した。
同省は「昨年に引き続き景気が緩やかに回復していることが決定的な背景にあり、それを含めて全体を押し上げたのではないか。特に建設業などで伸びがよかったため、就職する側からみると売り手市場だったと考えられる」と分析している。
有効回答数は民営事業所(従業員10人以上)のうち新卒者を採用した1万5,526事業所。実施時期は7月で、新規学卒者の6月分の賃金を集計した。