日本政府観光局(以下、JNTO)は18日、2015年10月の訪日外国人数(推計値)が前年同月比43.8%増の182万9,300人となり、10月として過去最高を更新したと発表した。1~10月の累計では前年同期比48.2%増の1,631万6,900人に達し、こちらも過去最高を更新した。
中国は年計500万人が視野に入る
10月は、中国の国慶節休暇(1~7日)とも重なったほか、円安の継続と消費税免税制度の拡充による買い物需要、航空路線の拡大など好条件が揃ったことが、訪日外国人数の大幅な増加につながったという。JNTOは「(訪日外国人数は)単月として過去2番目と、比較的好調に推移した。また、中国からのクルーズ船の寄航が46隻、最大11万人程度に増えたことが全体の人数を押し上げたほか、欧米などほかの市場も好調だった」と分析している。
国・地域別にみると、カナダとドイツが単月として過去最高を記録したほか、ロシアを除く17市場で10月として過去最高を更新。最も多かったのは中国で、前年同月比99.6%増の44万5,600人、10月までの累計では428万3,700人となり、全市場で初めて年計400万人を上回った。また、台湾、インドネシア、カナダ、フランス、イタリア、スペインの6市場が2014年の年計を上回り、昨年の累計を超えた市場は計11市場となった。
今後の見通しについては、「中国は年計500万人が視野に入ってきており、全体では年計1,900万人に届くことはほぼ間違いないとみている。なお、現時点ではフランス・パリで発生したテロの影響は確認できていないが、海外からの出発需要については注視していきたい」(JNTO)と話している。