大阪商工会議所は17日、「中国経済減速が経営に及ぼす影響に関する緊急調査」の結果について発表した。これによると、83.0%の企業が、中国経済の減速は日本経済に悪影響を及ぼすと回答した。
同調査は、中国経済の減速が企業経営に及ぼす影響などを把握し、今後の事業展開の参考とするために実施。国際取引を行っている大阪商工会議所の会員企業1.947社を対象に2015年10月28日~11月6日に調査票の発送・回収ともにファクシミリで行われ、294社(有効回答率15.1%)から有効回答を得た。
これによると、中国経済の減速が日本経済に及ぼす影響について尋ねたところ、「大きな影響がある」と回答した企業が23.5%、「多少、悪影響がある」が59.5%で、合わせて83.0%の企業が日本経済に悪影響があると見ていることが分かった。
中国経済の現状(今後1年程度)については、47.6%の企業が「現状深刻な状況にあり、今後さらに悪化する」と回答。一方、「減速しているものの現在プラス成長であり、深刻な状況ではない」(18.7%)、「減速は一時的なものであり、今後再び成長率は高まる」(3.4%)との回答もあり、合わせて22.1%の企業は、中国経済の現状を特段不安視していないことも明らかとなった。
中国経済減速への対応策については、「中国以外の国・地域へ進出・投資拡大を図る」を挙げた企業が43.2%と最も多く、ついで32.4%の企業が「日本国内の事業を強化する」と回答した。
一方、「特段の対応は取らない(現状を維持する)」が25.7%、「中国関連の事業活動(生産・販売・サービス)を拡大する」も18.7%あった。
中国経済減速以外の中国ビジネスの懸念要因を尋ねたところ、全体では「賃金の上昇」(57.3%)が最も多く、次いで「予見しがたい政策運営」(44.0%)、「品質管理」(41.9%)、「日中間の政治的対立」(32.8%)が挙げられた。
業種別にみると、「賃金の上昇」に次いで、製造業では「知的財産の問題(技術漏洩、模倣品の横行など)」が43.3%、非製造業では「品質管理」(52.9%)を挙げる企業が多かった。