女優の広末涼子が、アメリカ・ホノルルにて開催中の「第35回ハワイ国際映画祭」で、日本人の女優初となる"キャリア功労賞"を受賞した。
"キャリア功労賞"は、これまでのキャリアを総括して評価された俳優に贈られる賞。日本人では渡辺謙や役所広司、海外ではサミュエル・L・ジャクソンらが受賞した。広末は10代から活躍していたキャリアが評価されたとみられ、15日(日本時間16日)に行われた授賞式では、英語で「この場にこうして立てることをうれしく思っています。とても興奮していて幸せな気持ちです。ありがとうございます!」と喜びを伝えた。
同映画祭には、広末の主演映画『はなちゃんのみそ汁』(12月19日よりテアトル新宿と福岡県内で先行、2016年1月9日より全国公開)が長編部門に出品された。広末は、自身が出演した『おくりびと』(2008年)がかつて同映画祭で観客賞受賞を経て、その後もアカデミー賞外国語映画賞など国内外を席巻したことに触れ、「本当に自分にとってはこの映画祭は思い出深く、幸運なイメージのある場所です」としみじみ。「この場に足を運ばせていただき、本当に光栄でうれしく思います」とあらためて喜びを表現し、「『はなちゃんのみそ汁』も世界に羽ばたくことを夢見て、たくさんの方に愛される映画となるといいなと思います」と期待を寄せた。
本作の原作は、ガンによって33歳の若さで亡くなった安武千恵さんが、自身と夫の信吾さん、そして娘のはなちゃんの日々をつづったブログ「早寝早起き玄米生活」を基とした同名のエッセイ。千恵さん役を広末が務めるほか、信吾さん役を滝藤賢一、はなちゃん役を1,000人超の応募者から選ばれた子役の赤松えみなが担当する。メガホンを取るのは、『ペコロスの母に会いに行く』(2013年)の脚本を手がけてきた阿久根知昭監督。本作で長編作品監督デビューすると同時に、脚本も担っている。
現地時間14日にはワールドプレミアが実施され、広末も参加した。会場前には長蛇の列ができるほどの大盛況で場内は満席。上映中は、物語に涙する人が続出し、上映が終わると割れんばかりの拍手が送られた。観客の様子を見ていた広末も、「観客の皆さまがたくさん笑っていてくださり、安心しました」と思わず安堵。「この作品を通して、千恵さんに感謝したいです。そして、安武信吾さん、はなちゃんに出会えたことが何よりの幸せ」と笑顔を浮かべた。
(C)2015「はなちゃんのみそ汁」フィルムパートナーズ