ニュートリーはこのほど、在宅介護現場での"床ずれ予防・ケア"に関する意識調査の結果を明らかにした。同調査は6月20日~7月10日、訪問看護事業所・介護サービス事業者などの施設に対して行ったもので、回答総数は837名。

(訪問看護師に)褥瘡(じょくそう)予防の指導を行っていますか?

「褥瘡(じょくそう)」とは、一般的に「床ずれ」とも呼ばれている。寝たきりなどにより、長期間体の一部が体重で圧迫されると、血流が悪くなり、皮膚の一部が赤い色味をおびたり、ただれたり、傷ができたりしてしまうことを指す。

訪問看護の現場で、褥瘡予防の指導に当たっているのは主に誰か尋ねたところ、97%が「訪問看護師」と回答した。また、全体で96%の訪問看護師が褥瘡予防の指導を「よく行っている」「行っている」と答えている。

「褥瘡予防に関する指導を行っている」と回答した人に、訪問時間と指導時間について尋ねた。訪問時間は73%が「約60分」、褥瘡予防の指導時間は46%が「10分」と答えた。平均すると、訪問時間は60分で、そのうち5~10分を褥瘡ケアに充てていることがわかった。

褥瘡予防の指導時間

褥瘡予防において、家族への指導が難しいと感じるか尋ねると、61%が「まあ感じる」と答えた。「とても感じる」(29%)と合わせると、全体で90%が家族への指導が難しいと感じている。

褥瘡予防において、家族への指導が難しいと感じますか?

家族への指導困難の理由について聞くと、「老老介護が多く、理解に時間がかかる」「話をしても理解が得にくい」など理解につながらないことや、「介護者が高齢者の場合、体が動かない」「必要性は理解してもらっても、実践に至らないことが多い」など体力・実行力がないことが挙げられた。

そのほか、「栄養が摂(と)れていない人が床ずれになりやすい」「いかに効率よく栄養を摂(と)らせればいいか悩む」など、栄養不足の対処法が難しいことも理由に挙げる人も多かった。