筆者が予約注文した「Surface Pro 4」のCore m3モデルが、予定どおり11月12日に某大手量販店から送られてきた。同日深夜には、Windows 10 ビルド10586へのメジャーアップデートも公開され、早速仕事用のツールをあれこれとインストールし、必要最小限の環境を整えたばかりである。
翌日にちょうどイベントの取材が入っていたため、今まで使っていた8インチタブレット dynabook Tab VT484とThinkPad Bluetoothキーボードの組み合わせから、Surface Pro 4とタイプカバーという構成に変更して1日中持ち歩いてみた。その所感を報告する。
まずはバッテリー面。公式には最長約9時間の連続ビデオ再生が可能であるという。100%まで充電し、そのままシャットダウンして移動。その後、取材先のホテルで起動して30分後には91%まで消費していた。Wi-Fiなどには接続していなかったが、バッテリー節約機能を使わず、ディスプレイの輝度も調整しなかったため、一気に消費したと思われる。
ここからディスプレイの輝度を最も暗くし、バッテリー節約機能を有効にして約3時間、テキストエディターでキー入力を行った。スリープ状態にしてから移動して、スマートフォン経由のテザリングでインターネットに接続し、本稿に着手している。10分ほど経過してから確認すると、バッテリー残量は60%まで低下した。この時点で残り時間は約6時間半とWindows 10は示している。
ここで注目してほしいのは、バッテリー残量は減っているが、残り時間を示すメッセージがあまり変わっていない点だ。察するにWindows 10のバッテリー節約機能は、Powercfg.exeの「/Energy」オプションで確認できるシステム分析から使用状況を計算しつつ、残り時間を示しているのだろう。
Surface Pro 4はバッテリーだけで半日フル稼働させるのは難しいものの、バッテリー節約機能などを活用すれば、7時間程度なら十分使えそうだ。欲を言えば、Surface 3のようにUSB充電ができればよかったが、従来のSurface Proシリーズと同様にその仕組みは備えていない。
次は一番気になっていたキーボードである。Surface Pro 4 タイプカバーは、キーの間を空けることで打ちやすくなったとMicrosoftはアピールしていたが、その言葉に偽りはなかった。
実際に原稿を書いてみると、ほぼノンストレスのキータイピングできるのだ。筆者は初代Surface RTのタイプカバーに閉口して、タッチカバー、タッチカバー2と買い替えてみたものの、ストロークの浅さが気になって使用を控えてきた。だが今回は、「これなら十分使える」というのが筆者の素直な感想である。
マグネットによる角度調整時(ディスプレイ側に一段階折りたたんだ状態)では相変わらず、ポコポコした感覚が指に残るものの、机やテーブルの上で広げてしまえば、そのような違和感を覚えることはない。
筆者はタッチパッドに馴染まず、マウスやThinkPadのトラックポイントを好んで使っている。そのためSurface Pro 4 タイプカバーのタッチパッドも上手に使えず四苦八苦してしまう。これはあくまで個人的な慣れの問題なので、しばらくの間は我慢して使ってみよう。
最後は重量である。これまで筆者が持ち運んでいた8インチタブレットとBTキーボードの総重量は905g。一方、Surface Pro 4とタイプカバーの合計は1,077gと大きくは増えていない。だが、鞄の紐が肩に掛かる感覚は重く感じてしまう。体力に余裕のある若い方なら誤差の範囲かもしれないが、不惑の年代にあると同時に運動不足の筆者には少々厳しい状況だ。
それでも筆者は今回Surface Pro 4を購入したことに満足している。以前の環境ではフォトレタッチなど込み入った作業を行うのが難しかったものの、このデバイスであれば十分にこなせるからだ。今回は試していないが、PDFファイルの校正作業では付属するペンでコメントを入れ、差し替えテキストをキーボードで入力することも可能なはず。Windows Helloによるロック解除も快適なため、しばらくの間はモバイルマシンのメインとして活躍してくれそうだ。
阿久津良和(Cactus)